社会福祉法人の設立運営マニュアル(2)       経営組織

社会福祉法人の設立・運営をお考えの皆様へ

法人設立により新たな業務形態に移行し、更なる社会貢献と事業の発展を目指す皆様の、ご事情やお気持を十分にお伺いして、ご満足ご安心頂けるよう、法人設立と法人運営のお手伝いをさせて頂きます。

● 事業目的に応じて、どのような組織の法人の設立がふさわしいかの事前のご相談

● 法人設立後の事業計画立案支援

● 各種手続の代行

● 許可認可の申請代行

● 必要書類の準備

● 資金調達支援

● 人材の確保

● 企業法務

● 法人設立後の事業運営の諸問題への対応 ほか

法人の設立と運営に関わる手続を、すべて代行・サポートさせて頂きます。

法人設立と運営の諸手続は、専門の行政書士にお任せください。

 

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社会福祉法人設立/運営トータルサポート

➡社会福祉法人の設立運営マニュアル(1)制度の概要

➡社会福祉法人の設立運営マニュアル(2)経営組織

➡社会福祉法人の設立運営マニュアル(3)資産・事務手続

➡社会福祉法人の設立運営マニュアル(4)設立認可手続

 

社会福祉法人のM&A/事業承継トータルサポート

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社会福祉法人の合併・事業譲渡マニュアル 2  吸収合併 

社会福祉法人の合併・事業譲渡マニュアル 3  新設合併

 

➡補助金申請トータルサポート

 


社会福祉法人とは
■ 社会福祉法人は、社会福祉法に基づいて社会福祉事業を行うことを目的に設立された法人です。

事業の目的は、第1種社会福祉事業及び第2種社会福祉事業だけに限られ、それ以外の事業ための設立は認められません。

● 第1種社会福祉事業で実施できる事業

特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、知的障害者授産施設、知的障害者更生施設、知的障害者福祉ホーム、知的障害者通勤寮、身体障害者更正援護施設、知的障害児施設、肢体不自由児施設、児童養護施設、母子生活支援施設

● 第2種社会福祉事業で実施できる事業

老人居宅介護事業、デイサービス・ショートステイ事業、保育所、身体障害者・知的障害者の居宅介護、介護支援センター、認知症対応型共同生活援助

■ 社会福祉法人は公益性の高い法人であるため、設立には行政庁の認可が必要となります。

・原則として、市区町村長の認可が必要です。
・但し、二つ以上の市区町村に施設を設置する場合には、都道府県知事の認可が必要です。

■ 社会福祉法人の設立には、施設整備を行う(施設を新築する)場合と、施設整備を行わない(既存施設を利用する)場合があります。

 

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社会福祉法人設立要件の概要

社会福祉法人を設立するためには、資産(土地建物・運用資金)、及び、組織(理事・監事・評議員)の要件を充足していることが必要です。

■ 資産(基本財産と運用財産)

● 基本資産について

・原則として、寄付できる不動産(土地・建物)を所有していること。

・使用供与の施設を国又は地方公共団体から貸与又は使用許可を受けている場合は、1,000万円以上に相当する資産を有すること。社会福祉施設を経営しない法人の場合は1億円以上に相当する資産を有すること。

・都市部など土地等の取得が困難な地域では、不動産の一部に限り、個人又は法人から借受可

● 運用資産について

・法人の設立の運転資金として、年間事業予算の約12分の1以上の資金を有すること。

・介護保険上の事業及び障害福祉分野における支援費対象事業の場合は12の2以上、特別養護老人ホームは12分の3以上の資金を有すること。

■ 組織(役員と評議員)

● 役員(理事・監事)

・理事を6名以上選任すること。社会福祉事業について熱意と理解を有し、実際に法人運営の職責を果たせる者であること。

・監事を2名以上選任すること。法人の財産状況等の監査を行う者で、1名は財務諸表等を監査できる者であること。1名は社会福祉事業につき学識経験を有する者又は地域の福祉関係者であること。理事、評議員又は社会福祉法人の職員との兼任不可。

● 評議員・評議員会

・原則として、評議員会を置くこと。

・評議員の定数は、理事の定数の2倍を超えること。

・但し、 都道府県又は市町村が福祉サービスを必要とする者について措置をとる社会福祉事業、保育所を経営する事業、介護保険事業のみを行う法人については、評議会の設置は不要。(※下記のように改正されました)

※【改正】評議員・評議員会の設置(平成29年4月1日より)
社会福祉法人は、評議員、評議員会、理事、理事会及び監事を置かなければならない。(改正法第36条)
従前は、任意設置の諮問機関でしたが、改正により議決機関として位置付けられ、すべての社会福祉法人において設置が義務付けられました。

① 評議員の定数   定数は、理事の定数を超える数とします。(例)理事が6名の場合、評議員7名以上

但し、経過措置による特例として、 改正法の施行の際、現に存する社会福祉法人であって、その事業の規模が政令で定める基準を超えないものに対する評議員の数については、平成32年3月31日までの間、4人以上とされます。

② 兼業禁止    評議員は、役員又はその社会福祉法人の職員を兼ねることができません。

③ 評議員・役員の特殊関係者の就任禁止    次に揚げる者は、評議員に就任できません。

・各評議員につき、その配偶者又は3親等内の親族その他各評議員と厚労省令で定める特殊の関係がある者

・各役員につき、その配偶者又は3親等内の親族その他各評議員と厚労省令で定める特殊の関係がある者

④ 定款の定め

・理事又は理事会が評議員を選任し又は解任する旨の定款の定めは、その効力を有しません。

・改正前と異なり、理事長が評議員を委嘱することはできません。

・評議員の報酬等の額は、定款で定める必要があり、無報酬とする場合は、その旨を定款に定めます。

⑤ 権限

・評議員会は、社会福祉法に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議することができます。

・評議員会は、重要事項の最終的な意思決定機関となります。

⑥ 招集手続    原則として、理事が招集します。

・招集する場合、理事会の決議により以下の事項を定める必要があります。

   ・日時及び場所   ・目的事項があるときは当該事項   ・目的事項に係る議案の概要

⑦ 出席・決議

・評議員は、自ら評議員会に出席し議決権を行使することが求められ、委任状(代理人出席)や書面による議決権行使はできません。(改正前は書面による議決権行使が認められていましたが、改正後はできません)

 

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社会福祉法人の経営組織  

※社会福祉法人事務手続の手引 東京都福祉保健局 令和3年3月改訂版より抜粋

1 社会福祉法人に設置する機関と権限分配

社会福祉法人の経営を担う法人統治機関は、評議員(評議員会)、理事(理事会)、監事及び一定規模以上の法人における会計監査人です。(社会福祉法第36条)

また、社会福祉法人と評議員及び理事、監事、会計監査人(以下「役員等」という。)は、委任の関係であることが法第38条に規定されています。これにより、役員等は善管注意義務(善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務)を負い、義務を怠った場合には、損害賠償責任を負うことになります。

◇社会福祉法人の各機関と権限分配

組織における3つの権限、すなわち、意思決定、業務執行、監査の3機能が適切に3つの機関に分配され、相互牽制機能がしっかりと働く機関設計となっています。

2 評議員及び評議員会

社会福祉法人には、理事及び監事(以下「役員」という。)の選任又は解任、役員報酬の決定、定款の変更などの重要事項を決定する議決機関として、評議員会を設置しなければなりません。

(1)評議員の選任等

【評議員の員数】

○ 評議員の数は、定款で定めた理事の員数を超える数でなければなりません。

例)理事が6名の場合、評議員は7名以上になる。

【評議員の資格】

○ 評議員は、「社会福祉法人の適正な運営に必要な識見を有する者」から選任しなければなりません。

○ 精神の機能の障害により職務を適正に執行するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者、解散を命じられた社会福祉法人の役員並びに一定の刑に処せられその執行が終わるまで等の人は評議員となることはできません。(これらの人は役員にもなれません。)

○ 評議員は、役員又は当該法人の職員を兼ねることはできません。

○ 評議員又は役員の配偶者、三親等内の親族、その他の特殊な関係者も評議員になれない場合及び評議員総数の3分の1を超えてはならない場合があります。

○ また、実際に評議員会に参画(出席)できない者を、評議員として名目的に選任してはなりません。

【評議員の選任・解任の方法】

○ 評議員は、定款の定めるところにより選任します。評議員を理事や理事会が選任すると規定する定款は無効です。

具体的には外部有識者を含めた<評議員選任・解任委員会>を設置し、この委員会が選任・

解任する方法が国の通知で例示されています。 (社会福祉法人定款例第 6 条)

【評議員の任期】

○ 選任後4年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとなります。(任期の起算日は就任日ではなく選任日です。)

※例)令和3年2月1日に選任された場合

任期:令和3年2月1日から令和6年6月に開催する定時評議員会の終結まで

※例)令和3年6月20日に選任された場合

任期:令和3年6月20日から令和7年6月に開催する定時評議員会の終結まで

なお、定款の規定により4年を6年までに伸長することができます。

(2)評議員会の開催等

評議員会は、社会福祉法人の運営管理上の重要事項について、審議議決を行い、役員の選任・解任や定款変更等法人の基本的事項について決議する極めて重要な機関です。

【評議員会の開催】

○ 定時評議員会は、毎会計年度終了後、一定の時期に招集しなければなりません。

一定の時期とは、所轄庁に届け出る計算書類の作成期限が会計年度(4月~翌年 3 月)終了後3か月以内とされているため、6月末日までとなります。

○ 定時評議員会のほか、必要ある場合はいつでも評議員会を招集できます。

○ 理事会の決議により評議員会の日時・場所、議題、議案の概要を決定した上で、原則として理事(通常は理事長)が招集権者として、評議員会を招集します。

【評議員会の決議】

○ 評議員会は法令及び定款で定められた事項に限り決議することができます。

○ 議決に加わることのできる評議員(特別の利害関係のある評議員は議決に加わることができません。)の過半数が出席し、その過半数をもって決議します。(普通決議)

○ 法律の規定する一定の議題については、議決に加わることのできる評議員の現員数の3分の2以上の多数をもって決議しなければなりません。(特別決議)

例)議決に加わることができる評議員が7人の場合

普通決議…4人以上の同意が必要

特別決議…5人以上の同意が必要

○ 議決権の行使については書面等による決議や代理人による決議は認められません。

ただし、議決に加わることのできる評議員全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決することの評議員会の決議があったものとみなされます。(いわゆる「決議の省略」)

◇評議員会の要決議事項(法令で規定されているもの)

(ィ)普通決議を要する事項

○理事・監事・会計監査人の選任

○理事・会計監査人の解任

○理事・監事の報酬

○計算書類の承認

○役員報酬基準の承認

○社会福祉充実計画の承認

(ロ)特別決議を要する事項

○監事の解任

○理事等の責任の一部免除

○定款の変更

○解散

○吸収合併により消滅又は存続する場合の吸収合併契約

○新設合併により消滅する場合の新設合併契約

(ハ)その他定款で任意的記載事項として規定することが考えられる事項は次のとおり。

(いずれも普通決議を要する事項に該当)

〇事業計画及び収支予算を評議員会承認事項とする場合

〇評議員会運営規程を設ける場合

〇その他の諸規程の一部を評議員会決議事項とする場合

〇施設の新設・大規模改修

◇評議員会議事録の記載事項

評議員会議事録に記載する必要がある事項は、社会福祉法に定められています。必要な事

項は漏れなく記載してください。

① 評議員会が開催された日時及び場所(テレビ会議等により、当該場所に存しない評議員、

理事、監事又は会計監査人が評議員会に出席した場合における当該出席の方法を含む。)

② 評議員会の議事の経過の要領及びその結果

③ 決議を要する事項について特別の利害関係を有する評議員があるときは、当該評議員の

氏名

④ 監事や会計監査人(辞任した者を含む。)が、法律に基づく意見又は発言をしたときの

その意見又は発言の内容

⑤ 評議員会に出席した評議員、理事、監事又は会計監査人の氏名又は名称

⑥ 評議員会に議長が存するときは、議長の氏名

⑦ 議事録の作成に係る職務を行った者の氏名

※社会福祉法人制度改革に伴う評議員会の位置付けの見直し

 平成29年4月 1 日に施行された改正社会福祉法により、評議員会は、それまでの任意設置の諮問機関から、すべての法人に必置の議決機関として位置付けや機能が変わりました。

3 理事及び理事会

社会福祉法人の全ての業務執行の決定や理事の職務執行の監督は、理事会が行います。

このことから、理事会を構成する理事は、社会福祉事業について熱意と理解を有し、かつ、実際に法人運営の職責を果たせる人を選任する必要があります。

(1)理事の選任等

【理事の員数】

○ 理事の員数は、6名以上必要です。

○ 各理事についてその配偶者もしくは三親等以内の親族その他特殊関係者が3人を超えて含まれてはなりません。

○ 当該理事及びその配偶者及びその配偶者もしくは三親等以内の親族その他特殊関係者が理事総数の3分の1を超えて含まれてはなりません。

例)理事の員数が6名の場合、ある理事の特殊関係者は1名まで

【理事の資格】

○ 理事には、次に掲げるものが含まれなければなりません、

・ 社会福祉事業の経営に関する識見を有する者

(例)

社会福祉に関する教育を行う者

社会福祉に関する研究を行う者

社会福祉事業又は社会福祉関係の行政に従事した経験を有する者

公認会計士、税理士、弁護士等社会福祉事業の経営を行う上で必要かつ有益な専門知識を有する者

・ 当該事業の区域における福祉に関する実情に通じている者

(例)

社会福祉協議会等社会福祉事業を行う団体の役職員

民生委員・児童委員

社会福祉に関するボランティア団体、親の会等の民間社会福祉団体の代表者等

医師、保健師、看護師等医療関係者

自治会、町内会、婦人会及び商店会等の役員その他その者の参画により施設運営や在宅

福祉事業の円滑な遂行が期待できる者

・ 施設を設置し管理している場合には、当該施設の管理者(施設長等)

○ 当該社会福祉法人の評議員、監事との兼務は認められません。

○ 関係行政庁の職員が社会福祉法人の理事になることは、社会福祉法第61条の第1項の公私分離の原則に照らし、適当ではありません。(社会福祉協議会及び社会福祉事業団は除く)

○ また、実際に理事会に参画(出席)できない者を、理事として名目的に選任してはなりません。

【理事の選任・解任の方法】

○ 理事は、評議員会で選任・解任されます。

【理事の任期】

○ 理事の任期は、選任後2年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとなります。(任期の起算日は就任日ではなく選任日です。)

例1)

令和3年3月10日に選任され、同年4月 1 日に就任した場合

任期:令和3年3月10日から令和3年度決算に係る定時評議員会の日まで

例2)

令和3年4月6日に選任され、同日に就任した場合

任期:令和3年4月 6 日から令和4年度決算に係る定時評議員会の日まで

※ なお、定款の規定により2年未満に短縮することができます。

【理事長と業務執行理事】

○ 理事長は法人を代表し、社会福祉法人の業務に関する裁判上又は裁判外の一切の行為をする権限があります。

○ 理事長は理事会において選定・解職されます。

○ 理事会は、必要に応じて社会福祉法人の業務を執行する執行理事を選定・解職することができます。

※理事長及び業務執行理事による理事会への職務執行報告

理事長及び業務執行理事は、3か月に1回以上(定款で、毎会計年度に4か月を超える間隔で2回以上とすることが可能)、自己の職務の執行状況を理事会に報告しなければなりません。(法第46条の16第3項)

例)3か月に1回以上の報告要件を満たすための開催回数

 ・6 月、9月、12月、翌年3月の毎月10日に開催…年4回

 ・6月、9月、12月は各月10日、翌年3月は15日に開催

 …要件を満たすためには12月15日から3月10日までの間にも1回理事会を開催し報告が必要

なお、理事長及び業務執行理事の職務の執行状況報告は省略できないため、実際に理事会を開催し、報告することが必要です。

(2)理事会の開催等

理事会は、社会福祉法人の業務執行に関する意思決定機関として位置づけられるとともに、理事の職務の執行の監督、理事長の選任・解任など、理事及び理事長に対して牽制機能を働かせます。

【理事会の開催】

○ 開催日や開催回数は特に法令上の規定はありませんが、理事長及び業務執行理事の職務執行報告回数は最低必要です。

○ 事業計画・予算審議(3月)、事業報告・決算審議(6月)の時期及び補正予算の審議等、必要な時期に開催することが一般的です。

○ その他必要に応じて何回でも理事会を開催できます。

【理事会の決議】

○ 法令で規定する事項、法令で理事に委任できないとする事項のほか、定款で理事会の決議を要すると規定した事項及び業務執行に関し理事会の承認を求めるべきと判断される事項を決議事項とすることができます。

○ 議決に加わることのできる理事(特別の利害関係のある理事は議決に加わることができません。)の過半数が出席し、その過半数をもって決議します。

例)議決に加わることができる理事が6名の場合…4名以上の同意が必要

○ 理事が理事会の決議の目的である事項(議題)を提案した場合、議決に加わることのできる全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監事が異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決することの理事会の決議があったものとみなされます。(いわゆる「決議の省略」)

○ 委任状又は書面による決議参加は、評議員会同様認められません。

◇理事会の要決議事項(法令で規定されているもの)

1 理事長・業務執行理事の選任・解任

2 評議員会招集に係る事項

3 計算書類、事業報告、これらの附属明細書

4 重要な財産の処分及び譲受け

5 多額の借財

6 重要な役割を担う職員の選任・解任

7 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更、廃止

8 理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他社会福

祉法人の業務の適正を確保するために必要な体制の整備

9 役員の社会福祉法人に対する損害賠償責任の一部免除

◇理事会議事録の記載事項

理事会議事録に記載する必要がある事項は、社会福祉法に定められています。必要な事項

は漏れなく記載してください。

① 理事会が開催された日時及び場所(テレビ会議等により、当該場所に存しない理事、監

事又は会計監査人が理事会に出席した場合における当該出席の方法を含む。)

② 理事や監事の請求等により理事会を開催した場合はその旨

※ 理事長等の所定の招集権者が招集を行った場合には、記載不要。

③ 理事会の議事の経過の要領及びその結果

④ 決議を要する事項について特別の利害関係を有する理事があるときは、当該理事の氏名

⑤ 次の意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要

イ 競業及び利益相反取引の制限に係る取引についての報告

ロ 理事が不正の行為をしたと認められるとき等における監事の報告

ハ 理事会で述べられた監事の意見

⑥ 定款で議事録署名人を出席した理事長及び監事とする旨を定めているときは、理事長以

外の理事であって、理事会に出席した者の氏名

⑦ 理事会に出席した会計監査人の氏名又は名称

⑧ 理事会の議長が存するときは、議長の氏名

◇議事録の備え置き・保存について

(ィ)社会福祉法により、評議員会の議事録は、評議員会があった日から10年間主たる事務所に、5年間従たる事務所に備え置くことが定められており、評議員及び債権者は写しの閲覧の又は謄写の請求を行うことができます。

理事会の議事録は理事会があった日から10年間主たる事務所に備え置くことが定められており、評議員は写しの閲覧の又は謄写の請求を行うことができます。

(ロ)議事録の保存については、社会福祉法上の定めはなく、法人の文書管理規程等に保存期間等の定めがあればそれに従って管理をすることになります。

法人において保存期間を定める際には、後の法律上の争い等が発生した際の証拠書類となりえることなどを考慮して決定する必要があります。

例えば、理事の報酬額を決議した評議員会の議事録は、報酬額を変更するまでは保存する、補助金に関する決議は、返還が生じた際に証拠書類として必要になる場合もあるため、補助金の交付を受けている期間は保存するなどの対応が望ましいです。

4 監事及び会計監査人

監事は、理事の職務の執行を監査し、監査報告を作成するとともに、いつでも理事及び職員に対して事業の報告を求め、または、当該法人の業務及び財産の状況を調査することができ、適正な法人運営の確保に関する重要な役割を担っています。

(1)監事の選任等

【監事の員数】

○ 監事は2名以上必要です。

○ 監事のうちには、各役員(理事及び監事)について、その配偶者又は三親等以内の親族、その他特殊関係者が含まれてはなりません。

【監事の資格】

○ 監事には次に掲げるものが含まれなければなりません。

① 社会福祉事業について識見を有する者(例)社会福祉に関する教育を行う者

社会福祉に関する研究を行う者

社会福祉事業又は社会福祉関係の行政に従事した経験を有する者

公認会計士、税理士、弁護士等社会福祉事業の経営を行う上で必要かつ有益な専門知識を有する者

② 財産管理について識見を有する者【※】

※ 公認会計士や税理士の資格を有する者が望ましい。

また、社会福祉法人、公益法人や民間企業等において財務・経理を担当した経験を有する

者も考えられる。

○ 監事は、当該社会福祉法人の評議員、理事、使用人との兼務は認められません。

○ また、監事は理事の職務や法人の計算書類を監査する立場にあることから、法人から委託を受けて記帳代行業務や税理士業務を行う者が監事に選任することは、適当ではありません。(法律面や経営面のアドバイスのみを行う契約となっている顧問弁護士、顧問税理士又は顧問会計士を監事に選任することは可能)

【監事の選任・解任の方法】

○ 監事は、評議員会で選任・解任されます。

なお、監事の選任に関する議案は監事の過半数の同意が必要です。

【監事の任期】

○ 監事の任期は、選任後2年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとなります。(任期の起算日は就任日ではなく選任日です。)

例)

令和3年6月15日に選任され、同年6月20日に就任した場合

任期:令和3年6月15日から令和4年度決算に係る定時評議員会の日まで

(2)監事監査報告

○ 監事は、理事の職務の執行を監査し、監査報告を作成しなければなりません。

毎会計年度の計算書類(資金収支計算書、事業活動計算書、貸借対照表)、及び事業報告並びにこれらの附属明細書、財産目録は、厚生労働省令に定めるところにより、監事の監査を受けなければなりません。

○ 計算書類及びその附属明細書並びに財産目録の監査と、事業報告及びその附属明細書の監査について、それぞれの監査報告の内容及びその作成等の手順に関する規定が社会福祉法及び同法施行規則に設けられています。

○ なお、監査報告書は、毎会計年度終了後3か月以内(6月30日まで)に、所轄庁に提出する必要があります。

(3)会計監査人

一定規模を超える社会福祉法人には会計監査人を置くことが義務付けられ、公認会計士又は監査法人が計算書類等の監査を行います。

【会計監査人の資格】

○ 会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければなりません。

【会計監査人の選任・解任の方法】

○ 会計監査人も、役員同様に評議員会で選任・解任しますが、その議案内容は監事の過半数により決定するほか、監事全員の同意による解任もできます。

【会計監査人の任期】

○ 会計監査人は選任後1年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までです。

◇会計監査人設置義務法人の対象範囲

平成29年4月1日の改正法施行時点では、前年度決算において収益30億円又は負債60億円を超える法人が、社会福祉法第37条に規定する特定社会福祉法人に該当し、会計監査人を設置しなければなりません。

※ なお、対象範囲を段階的に拡大する考え方が、社会福祉法人制度改革の議論の中で示されております。

≪参考≫特殊関係者の範囲

(1)評議員の特殊関係者

① 当該評議員又は役員(理事及び監事)と事実上婚姻関係と同様の事情にある者

② 当該評議員又は役員に雇用されている者(秘書、執事など、評議員が個人的に雇っている者)

③ ①、②に掲げる以外の者であって、当該評議員又は役員から受ける金銭その他の財産によって生計を維持している者

④ ②、③に掲げる者の配偶者

⑤ ①から③に掲げる者の三親等以内の親族であってこれらの者と生計を一にする者

⑥ 当該評議員が役員【※1】となっている他の同一の団体(社会福祉法人を除く)【※2】の役員【※1】又は職員(これらの役員(当該評議員を含む。)又は職員 が当該社会福祉法人の評議員総数の3分の1を超えて含まれる場合に限る。)

⑦ 当該社会福祉法人の役員が役員【※1】となっている他の同一の団体(社会福祉法人を除く)

【※2】の役員【※1】又は職員(これらの役員又は職員が当該社会福祉法人の評議員総数の3分の1を超えて含まれる場合に限る。)

⑧ 支配している他の社会福祉法人の役員又は職員【※3】

⑨ 次に掲げる団体においてその職員(国会議員及び地方公共団体の議会の議員を除く。)である評議員(これらの評議員が当該社会福祉法人の評議員総数の3分の1を超えて含まれる場合に限る。)

・ 国の機関、地方公共団体、独立行政法人、国立大学法人又は大学共同利用機関法人、地方独立行政法人、特殊法人又は認可法人

※1 業務を執行する社員を含む。

※2 具体的には、株式会社、公益財団法人、一般社団法人、NPO法人などの社会福祉法人以外の団体のこと。

※3 支配している他の社会福祉法人:当該社会福祉法人の役員又は評議員で、評議員の総数の過半数を占めている他の社会福祉法人

(2)理事の特殊関係者

① 当該理事と事実上婚姻関係と同様の事情にある者

② 当該理事に雇用されている者(秘書、執事など、理事が個人的に雇っている者)

③ ①、②に掲げる以外の者であって、当該理事から受ける金銭その他の財産によって生計を維持している者

④ ②、③に掲げる者の配偶者

⑤ ①から③に掲げる者の三親等以内の親族であってこれらの者と生計を一にする者

⑥ 当該理事が役員【※1】となっている他の同一の団体(社会福祉法人を除く)【※2】の役員又は職員(これらの役員又は職員が当該社会福祉法人の理事総数 の3分の1を超えて含まれる場合に限る。)

⑦ 次に掲げる同一の団体においてその職員(国会議員及び地方公共団体の議会の議員を除く。)である理事(これらの理事が当該社会福祉法人の理事総数の3分の1を超えて含まれる場合に限る。)

・ 国の機関、地方公共団体、独立行政法人、国立大学法人又は大学共同利用機関法人、地方独立行政法人、特殊法人又は認可法人

※1 業務を執行する社員を含む。

※2 具体的には、株式会社、公益財団法人、一般社団法人、NPO法人などの社会福祉法人以外の団体のこと。

(3)監事の特殊関係者

① 当該役員と事実上婚姻関係と同様の事情にある者

② 当該役員に雇用されている者

③ ①、②に掲げる以外の者であって、当該役員から受ける金銭その他の財産によって生計を維持している者

④ ②、③に掲げる者の配偶者

⑤ ①から③に掲げる者の三親等以内の親族であってこれらの者と生計を一にする者

⑥ 当該理事が役員【※1】となっている他の同一の団体(社会福祉法人を除く)【※2】の役員【※1】又は職員(これらの役員又は職員が当該社会福祉法人の監事総数の3分の1を超えて含まれる場合に限る。)

⑦ 当該監事が役員となっている他の同一の団体(社会福祉法人を除く)の役員又は職員(これらの役員(当該監事を含む。)又は職員が当該社会福祉法人の監事総数の3分の1を超えて含まれる場合に限る。)

⑧ 支配している他の社会福祉法人の理事又は職員【※3】

⑨ 次に掲げる団体においてその職員(国会議員及び地方公共団体の議会の議員を除く。)である監事(これらの監事が当該社会福祉法人の評議員総数の3分の1を超えて含まれる場合に限る。)

・国の機関、地方公共団体、独立行政法人、国立大学法人又は大学共同利用機関法人、地方独立行政法人、特殊法人又は認可法人

※1 業務を執行する社員を含む。

※2 具体的には、株式会社、公益財団法人、一般社団法人、NPO法人などの社会福祉法人以外の団体のこと。

※3 支配している他の社会福祉法人:当該社会福祉法人の役員又は評議員で、評議員の総数の過半数を占めている他の社会福祉法人

【参考】 ≪理事の「その他特殊関係者」の人数制限の該当例≫

定款の定めにより、理事定数を6名以上8名以内とする法人のケース

■ 当初案

理事候補者は次の6名

・A 氏(NPO 法人甲代表、学校法人乙理事長、社会福祉法人丙評議員

・B 氏(NPO 法人甲職員、A 氏の長男)

・C 氏(NPO 法人甲職員)

・D 氏(社会福祉法人丙理事)

・E 氏(社会福祉法人丙理事)

・F 氏(法人が経営する施設の施設長)

〔確認結果〕

○ A 氏、B 氏、C 氏の3名が、「他の同一の団体の役員、業務を執行する社員又は職員」の関係にあり、この3名が当該社会福祉法人の理事の総数のうちに占める割合が2分の1と、3 分の1を超えているため、この理事構成は、不可

○ D 氏、E 氏の2名も、「他の同一の団体の役員、業務を執行する社員又は職員」の関係にあるが、この2名が当該社会福祉法人の理事の総数のうちに占める割合は3分の1であり、3 分の1を超えていないため、この理事構成は、可

〔見直しのパターン〕

 ○ 再度人選し、C 氏に替えて、G 氏を理事候補者とする6名体制とする。

※ NPO 法人甲の役員・職員等又は社会福祉法人丙の役員・職員等から人選しないなど、新たな特殊関係の発生には注意

※ また、A 氏~F 氏の6名に加え、2名新たに追加し理事定数上限の 8 名体制とする案については、特殊関係者の割合は8分の3と、3分の1を超えているため、不可

 

※ 以上は東京都の場合です。(参照:東京都福祉保健局HP)

※ 提出書類は、申請先の自治体によって異なります。各自治体の窓口での確認が必要です。

 

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