【グループホームM&Aトータルプロデュース】     専門行政書士の斡旋仲介・手続代行      

障がい者グループホーム(共同生活援助)の事業承継、承ります

障がい者グループホーム(共同生活援助)事業のM&A(売却・買収)事業承継(売買・譲渡・相続)の斡旋・仲介や事業譲渡手続・廃業手続(廃止・閉所)のお手伝いをさせて頂きます。

経済産業省M&A登録支援機関・スモールM&A認定アドバイザーが、新たなステージを踏み出し、更なる社会貢献とご自身の人生の充実を目指す皆様の、ご事情やお気持を十分にお聞きして、ご満足ご安心頂けますよう、

● 障がい者グループホーム(共同生活援助)事業の承継・譲渡・売却・買取を希望される売り手情報と買い手情報のご案内

● 事業承継を希望される地域のニーズや競合の調査

● どのような事業承継の形態が適切かの事前のご相談

● 事業承継を希望される売り手様と買い手様の協議の支援

● 事業承継計画立案の支援

● 事業承継に必要な各種の手続の代行

● 事業承継に必要な各種の許可認可の申請代行

● 事業承継に必要な各種の書類の準備

● 助成金・補助金の申請や金融機関の融資などの資金調達支援

● 求人手続・採用面接など人材の確保

● 法人の設立・合併・解散の手続

● 事業承継に関わる様々な法律問題についての企業法務

● 承継後の経営の諸問題への対応・コンサルティング   ほか

障がい者グループホーム(共同生活援助)事業の承継のための諸手続を、すべて代行・サポートさせて頂きます。

障がい者グループホーム(共同生活援助)事業の事業承継・M&Aのための諸手続は、専門の行政書士にお任せください。

無料相談・出張相談、承ります 

ご自宅、お勤め先、ご希望の場所への出張相談、承ります。 

無料相談・出張相談ご案内

 

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中小企業の事業承継・スモールM&Aトータルサポート

中小企業M&Aガイドライン(1)基礎知識と手法

➡中小企業M&Aガイドライン(2)中小企業の手引

➡中小企業M&Aガイドライン(3)支援機関の基本

 

➡補助金申請トータルサポート

 


グループホームの承継・M&Aサポート、すべて承ります

■事業承継M&Aの実行手続の支援・必要書類の作成

【1】買い手探し

(1)業務委託契約の締結  

アドバイザー契約を締結

(2)企業概要書の作成  

対象会社の概要につきアドバイザーとして作成

(3)打診活動   

候補先を探す際に初期的な関心を得るため対象会社を特定せず打診に活用する匿名資料(ノンネームシート)を作成

(4)秘密保持契約(NDA)の締結

初期的な関心を示した会社に対して締結

(5)企業概要書の提示  

実際に買収するか否か判断する資料

(6)意向表明書の取得  

関心を示した会社が対象会社に対して一方的に条件等を提示

(7)基本合意書の作成

意向表明書の条件に基づいて締結

【2】実行の手続

(1)買収監査(デューデレジェンス)の資料整理

対象会社の財務・税務・法務等の情報につき必要に応じて専門家に依頼して実態を調査

(2)買収条件の交渉

(3)最終契約の締結

表明保証、取引実行の前提条件、補償事項も記載

 

■ 新規事業の開業と運営

◆ 許可認可取得の申請代行     

◆ 各種法人設立の手続     

◆ 各種法人の合併・解散の手続 

◆ 企業法務、法的文書作成

■ 資金調達の支援

◆ 補助金、助成金の申請手続

◆ 公的融資の申請手続

◆ 金融機関からの融資の支援

■ 人材の確保

◆ 人材の採用(求人・面接)の支援

◆ 人員の配置(法人の役員構成)

 

最新の案件情報ご案内します

※詳しい案件情報につきましてはお電話にてお問合せ頂きますようお願い申し上げます。

 

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障がい者グループホーム事業の許可認可の申請代行、承ります

共同生活援助(グループホーム)事業トータルサポート

※ その他、各種の事業承継のサポートを承ります。何なりとご相談下さい。

 

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障がい者グループホームの承継は、専門行政書士にお任せ下さい

● 売り手情報と買い手情報のご案内、希望地域のニーズや競合の調査、適切な事業承継の形態についての事前のご相談、売り手法人様と買い手法人様の協議の支援、事業承継計画立案の支援、事業承継に必要な各種の手続の代行、事業承継に必要な各種の許可認可の申請代行、事業承継に必要な各種の書類の準備、助成金・補助金の申請や金融機関の融資などの資金調達支援、求人手続・採用面接など人材の確保、各種法人の設立・合併・解散の手続、事業承継に関わる様々な法律問題についての企業法務、事業承継後の経営の諸問題への対応・コンサルティングほか、障がい者グループホーム(共同生活援助)事業の事業承継のための諸手続を、すべて代行・サポートさせて頂きます。

また、事業承継(M&A)の実行の際の、買い手探し(アドバイザー契約)、企業概要書作成、打診活動(匿名資料ノンネームシート作成)、秘密保持契約(NDA)締結、意向表明書取得、基本合意書作成、買収監査(デューデレジェンス)資料整理、買収条件交渉、最終契約締結(表明保証、取引実行の前提条件、補償事項記載)など、契約書・必要書類の作成も承ります。

障がい者グループホーム(共同生活援助)事業の事業承継のための手続は、専門の行政書士にお任せください。

● 税理士・社会保険労務士・司法書士・弁護士・公証人・土地家屋調査士・不動産鑑定士、その他、経営・金融・保険などの専門家とも常に連携しております。

● ご相談窓口一つで、様々なご事情やご要望に、適切に迅速に対応させて頂けると存じます。

 

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無料相談・出張相談、承ります 

■ ご相談承り窓口(芦屋)でも、出張でも、承ります。

◆ 神戸市・芦屋市・西宮市・尼崎市・伊丹市・宝塚市・大阪市などの皆様には、芦屋市大桝町(三八通り)に、ご相談窓口をご用意しており、多くの皆様にご利用頂き、ご好評を賜っております。

JR芦屋から徒歩5分、阪神芦屋から徒歩5分、阪急芦屋川から徒歩8分、専用駐車場もございます。どうぞ、お気軽にお越しください。

◆ ご予約頂ければ、平日夜間、土曜・日曜のご相談(面談)も、承ります。

無料相談・出張相談ご案内

 

出張相談、全国対応いたします  お問い合せください

■ 出張相談は、下記の通り、全国対応で承っております。お問い合せ下さい。

北海道】・札幌市・函館市・小樽市・旭川市・室蘭市・釧路市・帯広市・北見市・夕張市・岩見沢市・網走市・留萌市・苫小牧市・稚内市・美唄市・芦別市・江別市・赤平市・紋別市・士別市・名寄市・三笠市・根室市・千歳市・滝川市・砂川市・歌志内市・深川市・富良野市・登別市・恵庭市・伊達市・北広島市・石狩市・北斗市

青森県】・青森市・八戸市・弘前市・十和田市・むつ市・五所川原市・三沢市・黒石市・つがる市・平川市

岩手県】・盛岡市・宮古市・大船渡市・花巻市・北上市・久慈市・遠野市・一関市・陸前高田市・釜石市・二戸市・八幡平市・奥州市・滝沢市

宮城県】・仙台市・石巻市・塩竈市・気仙沼市・白石市・名取市・角田市・多賀城市・岩沼市・登米市・栗原市・東松島市・大崎市・富谷市

秋田県】・秋田市・能代市・横手市・大館市・男鹿市・湯沢市・鹿角市・由利本荘市・潟上市・大仙市・北秋田市・にかほ市・仙北市

山形県】・山形市・米沢市・鶴岡市・酒田市・新庄市・寒河江市・上山市・村山市・長井市・天童市 ・東根市・尾花沢市・南陽市

福島県】・福島市・会津若松市・郡山市・いわき市・白河市・須賀川市・喜多方市・相馬市・二本松市 ・田村市・南相馬市・伊達市・本宮市

茨城県】・水戸市・日立市・土浦市・古河市・石岡市・結城市・龍ケ崎市・下妻市・常総市・常陸太田市・高萩市・北茨城市・笠間市・取手市・牛久市・つくば市・ひたちなか市・鹿嶋市 ・潮来市・守谷市・常陸大宮市・那珂市・筑西市・坂東市・稲敷市・かすみがうら市・桜川市 ・神栖市・行方市・鉾田市・つくばみらい市・小美玉市

栃木県】・宇都宮市・足利市・栃木市・佐野市・鹿沼市・日光市・小山市・真岡市・大田原市・矢板市・那須塩原市・さくら市・那須烏山市・下野市

群馬県】・前橋市・高崎市・桐生市・伊勢崎市・太田市・沼田市・館林市・渋川市・藤岡市・富岡市・安中市・みどり市

埼玉県】・さいたま市・川越市・熊谷市・川口市・行田市・秩父市・所沢市・飯能市・加須市・本庄市・東松山市・春日部市・狭山市・羽生市・鴻巣市・深谷市・上尾市・草加市・越谷市・蕨市・戸田市・入間市・朝霞市・志木市・和光市・新座市・桶川市・久喜市・北本市・八潮市・富士見市・三郷市・蓮田市・坂戸市・幸手市・鶴ヶ島市・日高市・吉川市・ふじみ野市・白岡市

千葉県】・千葉市・銚子市・市川市・船橋市・館山市・木更津市・松戸市・茂原市・成田市・佐倉市・東金市・旭市・習志野市・柏市・勝浦市・市原市・流山市・八千代市・我孫子市・鴨川市・鎌ケ谷市・君津市・富津市・浦安市・四街道市・袖ケ浦市・八街市・印西市・白井市・富里市・南房総市・匝瑳市・香取市・山武市・いすみ市・大網白里市

東京都】・千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区・台東区・墨田区・江東区・品川区・目黒区・大田区・世田谷区・渋谷区・中野区・杉並区・豊島区・北区・荒川区・板橋区・練馬区・足立区・葛飾区・江戸川区・八王子市・立川市・武蔵野市・三鷹市・青梅・府中市・昭島市・調布市・町田市・小金井市・小平市・日野市・東村山市・国分寺市・国立市・福生市・狛江市・東大和市・清瀬市・東久留米市・武蔵村山市・多摩市・稲城市・羽村市・あきる野市・西東京市

神奈川県】・横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市・平塚市・鎌倉市・藤沢市・小田原市・茅ヶ崎市・逗子市・三浦市・秦野市・厚木市・大和市・伊勢原市・海老名市・座間市・南足柄市・綾瀬市

新潟県】・新潟市・長岡市・三条市・柏崎市・新発田市・小千谷市・加茂市・十日町市・見附市・村上市・燕市・糸魚川市・妙高市・五泉市・上越市・阿賀野市・佐渡市・魚沼市・南魚沼市・胎内市

富山県】・富山市・高岡市・魚津市・氷見市・滑川市・黒部市・砺波市・小矢部市・南砺市・射水市

石川県】・金沢市・七尾市・小松市・輪島市・珠洲市・加賀市・羽咋市・かほく市・白山市・能美市・野々市市

福井県】・福井市・敦賀市・小浜市・大野市・勝山市・鯖江市・あわら市・越前市・坂井市

山梨県】・甲府市・富士吉田市・都留市・山梨市・大月・韮崎市・南アルプス市・北杜市・甲斐市・笛吹市・上野原市・甲州市・中央市

長野県】・長野市・松本市・上田市・岡谷市・飯田市・諏訪市・須坂市・小諸市・伊那市・駒ヶ根市・中野市・大町市・飯山市・茅野市・塩尻市・佐久市・千曲市・東御市・安曇野市

岐阜県】・岐阜市・大垣市・高山市・多治見市・関市・中津川市・美濃市・瑞浪市・羽島市・恵那市・美濃加茂市・土岐市・各務原市・可児市・山県市・瑞穂市・飛騨市・本巣市・郡上市・下呂市・海津市

静岡県】・静岡市・浜松市・沼津市・熱海市・三島市・富士宮市・伊東市・島田市・富士市・磐田市・焼津市・掛川市・藤枝市・御殿場市・袋井市・下田市・裾野市・湖西市・伊豆市・御前崎市・菊川市・伊豆の国市

愛知県】・名古屋市・豊橋市・岡崎市・一宮市・瀬戸市・半田市・春日井・豊川市・津島市・碧南市・刈谷市・豊田市・安城市・西尾市・蒲郡市・犬山市・常滑市・江南市・小牧市・稲沢市・新城市・東海市・大府市・知多市・知立市・尾張旭市・高浜市・岩倉市・豊明市・日進市・田原市・愛西市・清須市・北名古屋市・弥富市・みよし市・あま市・長久手市

【三重県】・津市・四日市市・伊勢市・松阪市・桑名市・鈴鹿市・名張市・尾鷲市・亀山市・鳥羽市・熊野市・いなべ市・志摩市・伊賀市

滋賀県】・大津市・彦根市・長浜市・近江八幡市・草津市・守山市・栗東市・甲賀市・野洲市・湖南市・高島市・東近江市・米原市

京都府】・京都市・福知山市・舞鶴市・綾部市・宇治市・宮津市・亀岡市・城陽市・向日市・長岡京市・八幡市・京田辺市・京丹後市・南丹市・木津川市

大阪府】・大阪市・堺市・岸和田市・豊中市・池田市・吹田市・泉大津市・高槻市・貝塚市・守口市・枚方市・茨木市・八尾市・泉佐野市・富田林市・寝屋川市・河内長野市・松原市・大東市・和泉市・箕面市・柏原市・羽曳野市・門真市・摂津市・高石市・藤井寺市・東大阪市・泉南市・四條畷市・交野市・大阪狭山市・阪南市

兵庫県】・神戸市・姫路市・尼崎市・明石市・西宮市・洲本市・芦屋市・伊丹市・相生市・豊岡市・加古川市・赤穂市・西脇市・宝塚市・三木市・高砂市・川西市・小野市・三田市・加西市・丹波篠山市・養父市・丹波市・南あわじ市・朝来市・淡路市・宍粟市・加東市・たつの市

奈良県】・奈良市・大和高田市・大和郡山市・天理市・橿原市・桜井市・五條市・御所市・生駒市・香芝市・葛城市・宇陀市

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鳥取県】・鳥取市・米子市・倉吉市・境港市

島根県】・松江市・浜田市・出雲市・益田市・大田市・安来市・江津市・雲南市

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広島県】・広島市・呉市・竹原市・三原市・尾道市・福山市・府中市・三次市・庄原市・大竹市・東広島市・安芸高田市・江田島市

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徳島県】・徳島市・鳴門市・小松島市・阿南市・吉野川市・阿波市・美馬市・三好市

香川県】・高松市・丸亀市・坂出市・善通寺市・観音寺市・さぬき市・東かがわ市・三豊市

愛媛県】・松山市・今治市・宇和島市・八幡浜市・新居浜市・西条市・大洲市・伊予市・四国中央市・西予市・東温市

高知県】・高知市・室戸市・安芸市・南国市・土佐市・須崎市・宿毛市・土佐清水市・四万十市・香南市・香美市

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中小企業の事業承継・スモールM&Aトータルサポート

中小企業M&Aガイドライン(1)基礎知識と手法

➡中小企業M&Aガイドライン(2)中小企業の手引

➡中小企業M&Aガイドライン(3)支援機関の基本

 

➡補助金申請トータルサポート

 

社会福祉法人設立/運営トータルサポート

➡社会福祉法人の設立運営マニュアル(1)制度の概要

➡社会福祉法人の設立運営マニュアル(2)経営組織

➡社会福祉法人の設立運営マニュアル(3)資産・事務手続

➡社会福祉法人の設立運営マニュアル(4)設立認可手続

 

社会福祉法人のM&A/事業承継トータルサポート

➡社会福祉法人の合併・事業譲渡マニュアル 1  事業譲渡

社会福祉法人の合併・事業譲渡マニュアル 2  吸収合併 

社会福祉法人の合併・事業譲渡マニュアル 3  新設合併

 

放課後等デイサービス開業/運営トータルサポート

居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護サービス開業・運営トータルサポート

生活介護サービス事業トータルサポート 

共同生活援助(グループホーム)事業トータルサポート

就労継続支援A型サービス事業トータルサポート

就労継続支援B型サービス事業トータルサポート

就労移行支援サービス事業トータルサポート

 

中小企業M&Aガイドライン(中小企業向け手引き)のご案内

※中小M&Aガイドライン(-第三者への円滑な事業引継ぎに向けて-令和2年3月 中小企業庁 より抜粋)をご案内させて頂きます。ご参考になれば幸いです。

第1章 後継者不在の中小企業向けの手引き

I 後継者不在の中小企業にとっての本ガイドラインの意義等

1 後継者不在の中小企業にとっての本ガイドラインの意義

中小企業は、事業承継を検討するに当たり、一般的には、後継者候補を経営者の親族内から選定し、仮に親族内に不在であれば自社の役員や従業員の中から選定しようとすることが多い。しかし、親族内にも社内にも後継者候補がいない、いわゆる後継者不在の中小企業においては、社外の第三者に後継者候補を求めるほか事業承継の選択肢がなく、それが実現できなければ廃業を余儀なくされることになる。

中小 M&A は、このような後継者不在の中小企業が、社外の第三者による事業承継のために M&A の手法を用いるものであり、大企業を対象とする M&A とは異なる点がある。

例えば、中小 M&A において、特に譲り渡し側は、M&A 未経験であることがほとんどであり、M&A に関する経験・知見が乏しい傾向にある。また、中小 M&A は、対象となる事業が中小企業の経営者個人の信用・人柄その他の属人的な要素に大きく影響される傾向にある。加えて、中小 M&A においては、M&A そのものに多額のコスト(特に M&A 専門業者や士業等専門家等の手数料や報酬)を掛けられない傾向にある。

このような実情を踏まえ、本章においては、主に後継者不在の中小企業である譲り渡し側の視点から、M&A に関する一般的な説明に留まらず、中小 M&A 独自の特色についても加味した説明を行うこととする。

これによって、中小 M&A を検討する経営者の背中を押し、中小 M&A が適切な形で促進されることを目指すものとする。

2 中小 M&A の事例

中小 M&A は事案ごとに特徴があり、事業規模・業績・業態等によっても、一様に類型化することはできない。しかしながら、中小 M&A について具体的なイメージを持ちやすくするべく、以下では、各種の特徴ごとに、具体的な事例を紹介する。

なお、ここに記載する事例は、それぞれ、あくまで一例であり、網羅的なものではなく、個別の具体的な中小 M&A が、ここに記載する事例のとおりの結論になることを確約するものではないため、留意されたい。

(1) 小規模企業・個人事業主において中小 M&A が成立した事例

① 小規模企業において成立した事例

② 個人事業主において成立した事例

③ 家業的経営(家族経営)である中小企業において成立した事例

④ M&A プラットフォームを利用してマッチングが実現し、成立した事例

⑤ フランチャイズ(FC)店において成立した事例

(2) 経営状況が良好でない中小企業において中小 M&A が成立した事例

① 赤字であるにもかかわらず成立した事例

② 債務超過であるにもかかわらず成立した事例

(3) 親族内承継の頓挫から中小 M&A に移行し成立した事例

〇後継者候補が承継を拒んだため中小 M&A に移行し成立した事例

(4) 意思決定のタイミングが中小 M&A の成立内容に影響を与えた事例

〇適切なタイミングで中小 M&A を決断していれば、より好条件で譲り渡せた事例

(5) 譲り渡し側の条件の明確化が中小 M&A の成立に寄与した事例

① 譲り渡し側経営者の希望通り、従業員の雇用が引き継がれることを条件として成

立した事例

② 譲り渡し側経営者が中小 M&A の成立後にも一定期間経営に関与することを条

件として成立した事例

(6) 従業員の反対にもかかわらず成立した事例

〇中小 M&A に反対していた従業員の理解を得た上で成立した事例

(7) 廃業を予定していたものの中小 M&A が成立した事例

① 事業の一部を中小 M&A により譲渡し、廃業費用を捻出した事例

② 廃業を考えていたものの、支援機関から中小 M&A を提案されたことを機に中小M&A に挑み、成立した事例

(8) 何らかの理由により中小 M&A が成立しなかった事例

① 中小 M&A 着手が遅れたため、資金繰りが尽きてしまい、中小 M&A が不成立に終わり廃業した事例

② 社外へ情報が漏れたことに伴い、中小 M&A が不成立になった事例

③ オーナー一族間の不和、コミュニケーション不足により、中小 M&A が不成立になった事例

④ 譲り渡し側が不誠実であったため中小 M&A が成立しなかった事例

3 譲り渡し側にとっての基本姿勢

(1) 中小 M&A に関する基本的な認識の変化

大企業と異なり、多くの中小企業にとって、M&A は馴染みの薄いものであると言われることがある。その背景として、譲り渡し側・譲り受け側ともに、中小 M&A を躊躇する原因があるとされる。

例えば、譲り渡し側にとっては、M&A は「後ろめたい」、「従業員に申し訳ない」、また、譲り受け側にとっては、M&A は敵対的買収を行う「ハゲタカ」のようなイメージである等といった感覚があると言われることがあった。特に地方においては、そのような感覚が更に強まる傾向にあると言われることがあった。

しかし、そのような感覚は、必ずしも時代の趨勢に合致したものではないと思われる。中小 M&A は、譲り渡し側経営者がそれまでの努力により築き上げてきた事業の価値を、社外の第三者である譲り受け側が評価して認めることで初めて実現することであり、譲り渡し側経営者にとって後ろめたいことではなく、むしろ誇らしいことであると言える。また、譲り受け側にとって、他社が時間を掛けて築き上げてきた事業を譲り受けるということは、経営判断に基づき事業を拡大するための1つの合理的な手法であるとともに、通常は、譲り渡し側との信頼関係に基づいて実現するものであり、友好的な取引であると言える。こういった、中小 M&A に対する従来否定的なイメージが肯定的に受け入れられる感覚が、中小企業の間にも徐々に浸透してきていると言われている。

また、近年、事業引継ぎ支援センター等の公的機関の整備を含め、中小 M&A に関する支援機関は充実してきていることから、中小企業にとっても、以前より支援機関へのアクセスが容易になり、支援を受けやすくなってきていると言える。

このように、中小 M&A に関する基本的な認識や中小 M&A を取り巻く環境が近年大きく変化する中で、譲り渡し側経営者は、積極的に中小 M&A を検討することが望まれる。

(2) 従業員・取引先等への影響の緩和

事業を社外の第三者に譲り渡して存続させることにより、従業員の職場を残して雇用の受皿を守ることができる。また、取引先(仕入先・得意先等)との取引関係を継続させることができれば、地域におけるサプライチェーンの維持にも資することになる。

特に、地域の中核企業と言われる規模の企業であれば、何らの対策も行わずに廃業した場合、多くの従業員の雇用が失われ、地域のサプライチェーンにも大きな穴が生じるおそれがある。

このように、譲り渡し側経営者は、自身の従業員・取引先等への影響を緩和するという観点でも、中小 M&A には意義がある、という点を認識することが望まれる。

(3) 譲り受け側から見た、譲り渡し側の事業の魅力

譲り渡し側経営者においては、「自社の事業を譲り受けてくれるような第三者はいないだろう」と考え、そもそも、中小 M&A を検討しようとすらしないケースが多くあると言われる。しかし、譲り渡し側経営者が気付いていなかったような事業の価値を譲り受け側が高く評価し、中小 M&A の成約に至るケースもある。

例えば、譲り渡し側の収支・財務の状況、事業規模や保有不動産等は、事業の分かりやすい特徴であると言えるが、譲り受け側が評価するのはこういった要素に限られない。例えば、高い技術力や優良な取引先との人脈・商流、優秀な従業員、地域内・業界内における知名度・ブランド・信用、業歴、業界内シェア、店舗網、知的財産権(特許権等)やノウハウ、事業分野の将来性、許認可等といった無数の要素が評価の対象となり得るのである。

したがって、仮に、譲り渡し側の事業が小規模であったり、赤字や債務超過であったりしても、譲り受け側が事業の価値を認めて「ぜひ譲り受けたい」と申し出ることは大いにあり得るということを認識すべきである。このような、譲り渡し側経営者にとって自明であるが故に気付きにくい魅力を発掘するという意味でも、後述のとおりまずは早期に支援機関へ相談してみることが望まれる(なお、貸借対照表の簿価上は債務超過であっても、資産・負債を時価評価し直した結果、実態としては資産超過であることが判明するケースもある。)。

ただし、中小M&Aの譲り受け側は、譲り渡し側の数倍程度の事業規模(売上・従業員数等)の、必ずしも大規模ではない企業であるケースが相当割合あり、譲り受け側にとっても中小 M&A は一大決心であることが多い。そのため、譲り渡し側としては、譲り受け側が相応の覚悟を持って中小 M&A に臨んでいるということを意識して、真摯に対応することが必要である。

4 譲り渡し側にとっての留意点

(1) 早期判断の重要性

中小 M&A をより早期に検討し実現することにより、従業員の雇用を確保し地域のサプライチェーンを維持することが可能となり、譲り渡し側経営者自身にとっても手元に残る代金(譲渡対価)の金額が多くなるケースもある。また、事業全体としては継続できなくとも、例えば利益計上できている優良店舗の一部事業のみを早期に譲り渡すこと等で事業の一部を継続させることができるケースもある。

個別のケースにより異なるが、通常、希望する譲り受け側とのマッチングには、数か月~1年程度の時間を要することが見込まれることから、早期に判断して動き出すことが重要である。

特に、中小 M&A についての判断は、日頃の繁忙等に追われることで後ろ倒しになりがちであるが、決断が遅れれば遅れるほど中小 M&A の選択肢は狭まる傾向にある。特に業績が良くない場合には、資金繰りが尽きてしまい身動きを取れなくなるケースも見られるので早期の判断が求められる。実際、判断が遅れた結果、廃業費用すら捻出できない状況に陥るケースもあるので、家族、従業員や取引先等に迷惑を掛けないためにも、経営者は、早期に判断し、対応を見極めることが重要である。

(2) 秘密保持の徹底

中小 M&A に関する手続の全般にわたり、秘密を厳守し情報の漏えいを防ぐことは極めて重要である。外部はもちろん、親戚や友人、社内の役員・従業員に対しても、知らせる時期や内容には十分注意する必要がある。中小 M&A の最終契約締結前に、極秘に親族や幹部役員等のごく一部の関係者にのみ知らせることもあるが、それ以外の関係者に対しては、原則として可能な限りクロージング後(早くとも最終契約締結後)に知らせるべきである。取引先や従業員に意図せず情報が伝わってしまったり、経営者が不用意な一言を発したりしたせいでトラブルとなり、中小 M&A が頓挫してしまうケースも見受けられる。この点には、初期から注意しておく必要がある。譲り渡し側が自ら譲り受け側を探す場合に、取引先や同一地域内の同業者等に打診するときにも、同様に注意が必要である。中小 M&A に関する情報を関係者に知らせる時期については、まず譲り渡し側・譲り受け側双方において協議されたい。

また、複数の支援機関に相談して複数の支援機関がマッチング支援を試みる場合には、譲り渡し側に関する情報が必要以上に外部に流出するおそれがあり、むしろ譲り渡し側にとってリスクとなり得るため注意が必要である。例えば、複数の支援機関が、同じ譲り渡し側の情報を同じ譲り受け側に紹介することにより、情報が出回っているように感じられ、譲り受け側の心証が害されることがあり得る。そのため、譲り渡し側は、基本的には単独の支援機関にマッチング支援を依頼することが多いが、仮に別の支援機関にもマッチング支援を依頼したり、セカンド・オピニオンを求めたりすることを希望する場合には、事前にその旨を元の支援機関に伝えておく必要がある(ただし、譲り渡し側・譲り受け側に関する情報の管理等の観点から、このような希望を容認しない支援機関もあるため、このような場合には元の支援機関とよく相談されたい。)。

(3) 中小 M&A 手続進行上の留意点

中小 M&A の手続は、後述の中小 M&A フロー図に記載の各工程を踏まえて進むことが多いが、対象となる譲り渡し側の事業規模が特に小規模な場合には、より簡易な形で実施することが現実的なケースも多く見られる。本ガイドラインはあくまで中小M&A の基本的な手続を示すものであり、全ての中小 M&A において厳格に本ガイドラインに記載する全ての手続を実施することを要請するものではない。

むしろ、譲り渡し側は、譲り受け側及び支援機関との信頼関係を築いた上で、譲り受け側の意向に誠実に対応することが中小 M&A の手続の円滑な進行のために必要であることを理解されたい。

II 中小 M&A の進め方

1 中小 M&A に向けた事前準備

譲り渡し側経営者が、中小 M&A を実行すべきかどうかについての意思決定を単独で行うことは容易なことではない。したがって、まずは早期に身近な支援機関へ相談した上で、支援機関による助言の下で中小 M&A の事前準備を行うことが望ましい。

(1) 支援機関への相談

譲り渡し側経営者が中小 M&A の意思決定を行うに当たっては、様々なポイントを検討することになる。しかしながら、譲り渡し側経営者が単独で検討していても、日々の業務への対処等が優先してしまい、なかなか検討が進まないことが多い。また、専門的な知見を有しない中で検討を続けることで誤った判断を行うおそれもある。

そのため、譲り渡し側経営者がまず行うべきことは、身近な支援機関への相談である。具体的には、商工団体、士業等専門家(公認会計士・税理士・中小企業診断士・弁護士等)、金融機関、M&A専門業者のほか、事業引継ぎ支援センターといった公的機関があり、まずはこういった支援機関に相談することが望まれる。

実際には、まず顧問の士業等専門家(特に顧問税理士)に相談することも多いと思われるが、自身が相談しやすいと考えられれば、所属する商工団体、取引金融機関等に相談してもよい。公的機関である事業引継ぎ支援センターや、政府系金融機関である日本政策金融公庫でも相談を受けている。

その際には、まず、直近3年分の税務申告書・決算書(損益計算書・貸借対照表を含む。)・勘定科目内訳明細書の写しを用意すれば十分である。可能であれば会社案内や自社ホームページの写し等といった、譲り渡し側の事業の概要が分かる資料も用意できるとよい。これら以外の詳細な資料は、支援機関からの指示を受けてから準備すれば足りる。

中小 M&A の意思決定がまだ済んでいないから相談を控えるのではなく、むしろ、

意思決定がまだ済んでいないからこそ相談することが必要である。

なお、支援機関への相談の際には、自分にとってマイナスな情報や後ろめたい情報ほど先に伝えておく真摯な姿勢が望まれる。これにより支援機関も課題への対応策や解決方法等を早期に検討しやすくなり、円滑な中小 M&A に資することになる。

(2) 後継者不在であることの確認

譲り渡し側経営者は、親族内・社内に後継者候補がいないこと(つまり後継者が不在であること)を確認しておく必要がある。具体的には、親族内承継を実施しないことにつき身近な親族(特に子や兄弟)から了解を得ておくこと、社内に後継者候補がいないこと(従業員承継が不可であること)を確認しておくことが必要である。この際、前述のとおり、秘密保持の観点には注意が必要である。

(3) 引退後のビジョンや希望条件の検討

譲り渡し側経営者は、引退後のビジョンを含む希望条件を事前によく考えておく必要がある。例えば、当面は譲り渡し側・譲り受け側の事業に関わり続けたいのか、別の事業に進出したいのか、それとも社会貢献活動や余暇を楽しむといった全く別のことを行いたいのか等、引退後にどのような過ごし方を選択するかといった点は、本人のその後の人生にとって重要な要素である。

また、希望条件についても、代金(譲渡対価)の金額や従業員の雇用継続は、譲り渡し側経営者として懸念することの多い重要な要素の1つではあるが、希望条件として検討すべき要素はこれに限定されるものではない。

譲り渡し側経営者は、中小 M&A における希望条件を明確化し、可能な限りで優先順位を付しておくことが望ましい。中小 M&A は相手があることであり、譲り渡し側の希望が確実に受け入れられるわけではないが、そのような場合に譲歩できない点を固めておくことは、譲り受け側とどのような点を交渉すべきかを明確化することになり、円滑な交渉の実現にも資するものである。

(4) 中小 M&A に先立つ「見える化」「磨き上げ」(株式・事業用資産等の整理・集約)

一般的に、事業承継においては、経営状況・経営課題等の現状把握(見える化)と、事業承継に向けた経営改善等(磨き上げ)が必要とされるが、中小 M&A の実行のためには、その中でも最低限、株式・事業用資産等の整理・集約が必要である。以下では、この観点より説明する。

ただし、前述のとおり、重要なことはまず支援機関に相談することである。譲り渡し側経営者だけでは株式・事業用資産等の整理・集約が困難な場合もあるため、まずは顧問税理士等の身近な支援機関に相談することが望ましい。

なお、株式や事業用資産等の整理・集約については、法的な論点等についての検討や交渉を要することもあるので、この場合には法務の専門家である弁護士の助言を得ることが望まれる。

① 株式の整理・集約

普段は意識する機会が少ないものの、会社にとって株式は非常に重要なものである。仮に、株式が分散していたり、一部株主の所在が不明であったりする場合、中小M&A を実行する際に重大な障害となるおそれもある。

基本的に、総議決権の過半数の株式があれば株主総会決議は確実に可決することができるが、特に重要な事項(例えば、全事業の譲渡)については特別決議(出席株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要な決議)が必要となることがあるため、これを確実に可決できるように総議決権の3分の2以上の株式を保有しておくことが望ましい。仮に譲り渡し側経営者が譲り受け側に対して会社の全株式を譲渡する場合(株式譲渡)には、基本的に、譲り渡し側経営者が全株式を保有しておく必要がある。

そのためには、他の株主からの株式の買取り(及びそのための買取資金の調達)が必要なケースもある。

また、株主名簿が正しく整備されているか、実際に出資していない親族・知人等の名義になっている株式(いわゆる名義株)がないか、(株券発行会社の場合)株券が適切に管理されているかといった点も確認が必要である。

② 事業用資産等の整理・集約

重要な事業用資産等(不動産や機械設備等)について、第三者の名義である、担保が設定されている、遺産分割の対象として争われている、第三者との間で係争中の物件である等の場合、譲り渡し後の事業継続に支障が生じ得るため、これらについても確認が必要である。

また、中小 M&A においては、家族経営の企業が多いことから、譲り渡し側の会社の財産と経営者個人の財産が明確に分離されていないケースも多い。そのようなケースでは、譲渡する事業用資産等を譲り受け側にスムーズに譲り渡せないこともあるため、この点も明確に区別して整理・集約しておく必要がある。

2 中小 M&A における一般的な手続の流れ(フロー)

(1) 意思決定

前述のとおり、中小 M&A に関する意思決定前の段階から必要に応じて支援機関に相談しつつ、整理すべき事項を整理した上で、最終的には自ら明確に意思決定することが必要である。その上で、中小 M&A について具体的に手続を進めることになる。

中小 M&A においては、大きく分けて以下の2点が課題となる。

A マッチング以前の段階 :譲り受け側を見つける方法

B マッチング後の段階 :譲り受け側が決まった後の具体的な手続の進め方

この点を踏まえ、以下では、次の2つのパターンに分類して説明する。

(2)-1 仲介者・FA を選定する場合

(2)-2 仲介者・FA を選定せず、工程の多くの部分を自ら行う場合

また、実際には、これら2つのパターンが重なり合うこともある。例えば、次のようなケースも見られる(必要に応じて、士業等専門家を活用するケースもある。)。

〇A マッチング以前の段階において、仲介者・FA を利用せずに自ら譲り受け側を探し((2)-2)、それでも譲り受け側が見つからない場合には仲介者・FA を選定する((2)-1)、というケース

〇A マッチング以前の段階において、仲介者・FA を選定せずに M&A プラットフォー

ムを活用して譲り受け側を自ら見つける((2)-2)ものの、B マッチング後の段階においては仲介者・FA を活用して契約交渉等を行う((2)-1)、というケース

(当事者同士の間でほぼ基本合意が締結できている段階で、クロージングまでの手続のみを仲介者・FA に依頼するというケースは増えつつある。)

(2)-1 仲介者・FA を選定する場合

① 仲介契約・FA 契約の締結

まずは仲介者・FA を選定し、仲介契約・FA 契約を締結する(名称は「仲介契約」「FA 契約」のほか、「業務委託契約」「アドバイザリー契約」等とされることもある。)。

仲介者・FA の選定に当たっては、業務形態や業務範囲・内容、契約期間、報酬(手数料)体系、M&A 取引の実績(M&A に取り組んだ件数・年数等)、利用者の声等をホームページや担当者から確認した上で、複数の仲介者・FA の中から比較検討して決定することが重要である。加えて、いわゆる「相性」も重要なことがある。

また、仲介者・FA のほか、特に顧問税理士等、もともと関与のある士業等専門家の支援の下で手続を進めるケースもある(その場合には、顧問料以外に別途、報酬を支払うケースもあるため、予め確認されたい。)。

仲介者・FA によっては、業務範囲を特定の工程のみに絞っている場合もあるが、全工程を行う場合でも、特定の業種・地域に特化した仲介者・FA も存在すること等から、どのような支援が自身にとって必要かよく検討して判断する必要がある。

仲介契約・FA 契約を締結する際は、中小 M&A に関する希望条件を明確に伝えつつ締結前に納得がいくまで十分な説明を受けることが必要であり、特に業務の具体的な内容や報酬の妥当性等については、必要に応じて事業引継ぎ支援センターを含め、他の支援機関に意見を求めること(セカンド・オピニオン)も有効である(なお、仲介契約・FA 契約締結後においては、譲り渡し側・譲り受け側の情報の管理等の観点から、元の支援機関がセカンド・オピニオンを許容しないことがあるため、このような場合には元の支援機関とよく相談されたい。)。

<仲介契約・FA 契約の内容の主なポイント>

〇業務形態

小規模な中小 M&A については、FA よりも仲介者の方が多く用いられる傾向にあるが、業務形態により留意すべき事項が異なるため、いずれの業務形態であるか確認しておく必要がある。

〇業務範囲・内容

例えば、次のような形が考えられる。

・譲り渡し側・譲り受け側のマッチングまで

・バリュエーション(企業価値評価・事業価値評価)やデュー・ディリジェンス(DD)ま

・株式譲渡や事業譲渡といった具体的なスキーム(手法)の策定まで

・クロージング(決済)まで

・PMI(M&A 実行後における事業の統合に伴う作業)まで

ただし、これらはあくまで例示に過ぎず、業務範囲・内容は、各仲介者・FA によって異なる。手数料と比較して十分な内容であるとして納得できるかどうか、必要であれば事業引継ぎ支援センター等へのセカンド・オピニオンも活用しながら、十分に検討することが望ましい。

〇手数料の体系

例えば、次のような体系が考えられる。

・着手金(主に仲介契約・FA 契約締結時に支払う)

・月額報酬(主に一定額を毎月支払う)

・中間金(例えば基本合意締結時等、案件完了前の一定の時点に支払う)

・成功報酬(主にクロージング時等の案件完了時に支払う)

ただし、これらはあくまで例示に過ぎず、手数料の金額や体系は、各仲介者・FAによって異なる。例えば、これらを全て請求する仲介者・FA もいる一方、着手金・月額報酬・中間金を請求せずに成功報酬のみ請求する(いわゆる完全成功報酬型の)仲介者・FA もいる。

また、成功報酬を算定する際には、一定の価額(例えば、譲渡額、移動総資産額、純資産額といったものが考えられ、各仲介者・FA によって異なる。)に、一定の方式に則った計算を施すものが多い。その場合でも、最低手数料が定められているケースも多い(その水準は、各仲介者・FA において異なるため、比較検討することが望ましい。)。

なお、仲介者の場合は、譲り渡し側・譲り受け側の双方と契約を締結の上、譲り渡し側・譲り受け側の双方に対し手数料を請求することが通常である。

〇秘密保持

情報の漏えいがあった場合には M&A が頓挫してしまうことがあり、秘密保持の観点は重要であるため、仲介者・FA との間の業務委託契約等においても、秘密保持条項が含められていることが通常である。

特定の者(例えば、公認会計士、税理士、弁護士等の士業等専門家)への情報共有が許容されている場合(秘密保持義務が一部解除されている場合)もあるため、そのような規定があるかも確認しておくことが望ましい。

〇専任条項

通常、マッチング支援等において並行して他の仲介者・FA への依頼を行うことを禁止する条項(いわゆる「専任条項」)が設けられている。他の仲介者・FA にセカンド・オピニオンを求めることや他の仲介者・FA を利用してマッチングを試みること等、禁止される行為が具体的にどのような行為であるのかという点を予め確認しておくことが望ましい。また、契約期間や中途解約に関する事項等についても併せて確認しておくことが望ましい。

〇 テール条項

マッチング支援等において、M&A が成立しないまま、仲介契約・FA 契約が終了した後、一定期間(いわゆる「テール期間」)内に、譲り渡し側が M&A を行った場合に、その契約は終了しているにもかかわらず、その仲介者・FA が手数料を請求できることとする条項(いわゆる「テール条項」)が定められる場合がある。テール期間の長さ(最長でも2年~3年以内が目安である。)や、テール条項の対象となるM&A(基本的には、その仲介者・FA が関与・接触し、譲り渡し側に対して紹介した譲り受け側との M&A のみに限定される。)について、予め確認しておくことが望ましい。

② 仲介者・FA の比較

仲介者・FA の業務内容等は、概ね、以下のとおりである。なお、マッチング支援等において、仲介者は譲り渡し側・譲り受け側の双方から手数料の支払を受けることが通常である。したがって、譲り渡し側の事業規模が小さく、支援機関に対して単独で手数料を支払うだけの余力が少ない小規模な中小 M&A については、FA よりも仲介者が多く用いられる傾向にある。

〇仲介者

・業務内容:譲り渡し側・譲り受け側の双方と契約を締結する。

・特徴:譲り渡し側・譲り受け側の双方の事業内容が分かるため、両当事者の意思疎通が容易となり、中小M&A の実行に向けて円滑な手続が期待できる。

・活用するのに適するケース

譲り渡し側が譲渡額の最大化だけを重視するのではなく、譲り受け側とのコミュニケーションを重視して円滑に手続を進めることを意図する場合

譲り渡し側の事業規模が小さく、支援機関に対して単独で手数料を支払うだけの余力が少ないが、できるだけ支援機関のフルサービスを受けたい場合

〇FA

業務内容:譲り渡し側・譲り受け側の一方と契約を締結する。契約者の意向を踏まえ、契約者に対し踏み込んだ助言・指導等まで行うことが多い。

特徴:一方当事者のみと契約を締結しており、契約者の利益に忠実な助言・指導等を期待しやすい。

・活用するのに適するケース

譲り渡し側が譲渡額の最大化を特に重視し、厳格な入札方式(最も有利な条件を示した入札者を譲り受け側とする方式)による譲り渡しを希望する場合(例えば、債務整理手続を要する債務超過企業の M&A の場合等)

このような手続を実施するための費用負担能力がある場合(特に、規模が比較的大きい M&A の場合)

(2)-2 仲介者・FA を選定せず、工程の多くの部分を自ら行う場合

取引先や地域内の同業他社等を譲り受け側として自ら見つけるケースは、近年、増加の傾向にあるとされる。

また、インターネット上のシステムを活用し、オンラインで、譲り渡し側と譲り受け側のマッチングの場を提供するウェブサイトである M&A プラットフォームに登録することが、中小 M&A 実現の可能性を高めるという点で有効なケースもある。各 M&A プラットフォームにおいて、登録案件数、登録が必要な情報の種類、登録された情報が開示される範囲や、マッチング後の支援の有無・内容等には差異があるので、数社を比較検討することが望ましい。

これらのケースでも、前述のとおり、秘密保持に注意する等、慎重な対応を要するポイントが多いことから当事者同士で手続を進めることに不安を感じた場合には、士業等専門家等や事業引継ぎ支援センター等の公的機関に相談することが望ましい。

※ 以下の記載は、(2)-1 を前提とするが、(2)-2 の場合であっても、仲介者・FA や士業等専門家を一部の工程について利用する場合には、その工程において、以下に準じた対応を行うことが考えられる。

(3) バリュエーション(企業価値評価・事業価値評価)

仲介者・FAや士業等専門家が、譲り渡し側経営者との面談や提出資料、現地調査等に基づいて譲り渡し側の企業・事業の評価を行う。

中小 M&A では、「簿価純資産法」、「時価純資産法」又は「類似会社比較法(マルチプル法)」といったバリュエーションの手法により算定した株式価値・事業価値を基に譲渡額を交渉するケースが多いが、事例ごとに適切な方法は異なるため、相談先の支援機関に相談の上、各事例において選択することが望ましい。

また、算出された金額が必ずそのまま中小 M&A の譲渡額となるわけではなく、交渉等の結果、「簿価純資産法」又は「時価純資産法」で算出された金額に数年分の任意の利益(税引後利益又は経常利益等)を加算する場合等もあり、当事者同士が最終的に合意した金額が譲渡額となるという点は理解されたい。

(4) 譲り受け側の選定(マッチング)

中小 M&A を進める上で、マッチングは重要な工程である。

マッチングを具体的に進めるに当たり、仲介者・FA は、通常、まず譲り渡し側を特定できない内容のノンネーム・シート(ティ―ザー)を、数十社程度にまで絞り込んだリスト(ロングリスト)内の企業に送付し打診する。その上で、関心を示した候補先から譲り受け側となり得る数社程度をリスト(ショートリスト)化し、これらとの間で秘密保持契約を締結した上で、その後の手続を進めることが通常である。仲介者・FA は、譲り渡し側についての企業概要書を譲り受け側の候補先に交付し、その後のマッチング支援等を行う。

譲り渡し側は、マッチングを希望する候補先、あるいは打診を避けたい先があれば、事前に仲介者・FA に伝えることが望ましい。また、打診を行う優先順位について、仲介者・FA との間で十分な話し合いを行われたい。

なお、仮に、リスト内の候補先とのマッチングが連続して不調に終わったとしても、その後に譲り渡し側の事業を評価する候補先が現れて、中小 M&A が成立する可能性は十分にある。それでもなお、譲り渡し側が譲り受け側を見つけることができず、やむなく廃業せざるを得ない場合には、事業において利用していた事業用資産等の経営資源の引継ぎの検討を開始することが望まれる。譲り受け側の探索をいつ打ち切るかは、譲り渡し側と仲介者・FA とで協議の上で決定されたい。

(5) 交渉

交渉の進め方は、譲り渡し側・譲り受け側の関係や事業の類似性、譲り渡し側・譲り受け側と仲介者・FA との関係度合等により、譲り渡し側・譲り受け側の経営者同士の面談(トップ面談)の時期や方法も含め、様々な形態がある。

特に、トップ面談は、譲り受け側の経営理念・企業文化や経営者の人間性等を直接確認するための場であり、その後の円滑な交渉のためにも重要な機会である。一方、自分の態度や表情も相手方に直接伝わりやすく、不用意な言動も信頼を損なうおそれがあるため誠意ある態度で真摯に面談に臨む必要がある。

また、トップ面談を含む交渉の際には、中小M&Aにおける希望条件を明確化し、可能な限りで優先順位を付し、特に、絶対に譲歩できないのがどの点なのか固めておくことが望ましい。

いずれにせよ、仲介者・FA と緊密なコミュニケーションを取り、仲介者・FA のアドバイスを得て交渉を進めることが重要である。

なお、譲り渡し側経営者は、特に中小 M&A 実行後の従業員の処遇を懸念することが多く、それが中小 M&A の促進にとって阻害要因になっているおそれもある。実際、中小 M&A 実行後に従業員の一斉解雇(リストラ)が行われるケースは多くないと言われるが、譲り渡し側経営者は、譲り受け側経営者が譲り渡し側幹部役員等に対して高圧的な態度を取ることなく、譲り受け側役員・従業員と同等に接する姿勢を心掛けているか、確認しておくことが考えられる。

(6) 基本合意の締結

当事者間の交渉により概ね条件合意に達した場合には、譲り渡し側と譲り受け側との間で最終契約におけるスキーム(株式譲渡や事業譲渡といった手法)、デュー・ディリジェンス(DD)前の時点における譲渡対価の予定額や経営者その他の役員・従業員の処遇、最終契約締結までのスケジュールと双方の実施事項や遵守事項、条件の最終調整方法等、主要な合意事項を盛り込んだ基本合意を締結する。

基本合意の締結に当たっては、仲介者・FA や士業等専門家の助言を受けて調印することが大切である。

ただし、資金繰り等の関係で、クロージング(決済)を急ぐ必要がある場合には、基本合意を締結せず、最低限の秘密保持契約の締結のみに留めて、最終契約締結に直接進むケースもあるため、状況に応じて、仲介者・FA や士業等専門家に相談されたい。

(7) デュー・ディリジェンス(DD)

デュー・ディリジェンス(DD)は、主に譲り受け側が、譲り渡し側の財務・法務・ビジネス(事業)・税務等の実態について、FA や士業等専門家を活用して調査する工程であり、譲渡対価の金額の精査や、判明した実態を踏まえて更に事業の改善を行うこと等の目的で行われる。譲り受け側が DD を行う場合、どの調査を実施するかについては、譲り受け側の意向に従うこととなる。

通常、譲り受け側が FA や士業等専門家に調査の実施を依頼する。譲り渡し側が、中小 M&A に関して社内(役員・従業員等)への情報開示を行っていない場合は、その非開示の役員・従業員等に悟られずに実施する等の工夫が必要であるため、譲り渡し側・譲り受け側ともに、FA や士業等専門家の指示を守ることが重要である。

なお、DD は、想定し得るリスク全般について調査することもあれば、対象事項等を限定して簡易な形で行うこともあり、調査の密度は様々である。中小 M&A の実務においては、譲り受け側が専門家費用を投じて本格的な DD を行うことなく、譲り渡し側の数年分の税務申告書の確認及び譲り渡し側経営者へのヒアリング等の調査だけで終えることもある。

(8) 最終契約の締結

デュー・ディリジェンス(DD)で発見された点や基本合意で留保していた事項について再交渉を行い、最終的な契約を締結する工程である。

仲介者・FA や士業等専門家のアドバイスを受けながら、契約内容に必要な事項が網羅されているかを最終的に確認した後、調印を行う。仲介者・FA や士業等専門家によるアドバイスに納得できず、不安がある場合には、調印前に契約内容に関する意見を他の支援機関に求めること(セカンド・オピニオン)も有効である。また、契約に盛り込む内容や条件を早い段階から仲介者・FA に伝えておいた方が、円滑な契約締結につながることが多い。

中小 M&A の実務においては、株式譲渡か事業譲渡の手法が選択されることが多い。それぞれの手法の大まかな特徴は以下のとおりである(その他の手法も存在する)。なお、株式譲渡も事業譲渡も、全部譲渡は必須ではなく、一部譲渡のケースもあるが、その点は譲り渡し側・譲り受け側の協議・交渉によって決定されることになる。

〇 株式譲渡

譲り渡し側の株主(多くの場合は経営者)が、譲り受け側に対し、譲り渡し側の株式を譲渡する手法である。手続は比較的シンプルだが、譲り渡し側の法人格に変動はないため、(未払残業代等、貸借対照表上の数字には表れない)簿外債務・(紛争に関する損害賠償債務等、現時点では未発生だが将来的に発生し得る)偶発債務リスクが比較的高くなりやすく、より詳細なデュー・ディリジェンス(DD)が実施される傾向にある。

〇 事業譲渡

譲り渡し側が、譲り受け側に対し、自社の事業を譲渡する手法である。譲渡の対象となる財産(承継対象財産)を選択でき、譲り渡し側の法人格から切り離すことができるため、簿外債務・偶発債務リスクを比較的遮断しやすいが、手続には(土地、建物や機械設備等といった)承継対象財産の特定や、(不動産登記手続等の)対抗要件具備、許認可の取得等の作業が必要になる。

なお、個人事業主の中小 M&A は、事業譲渡の手法を用いることが通常である。

また、最終契約で取り決める主要な内容は以下のとおりである(株式譲渡・事業譲渡の両方に共通である。)。

・ 譲渡対象(何を譲渡するか)

  • 譲渡時期(いつ譲渡対象を譲渡するか)

・ 譲渡対価(代金をいくらにするか)

・ 支払時期・方法(譲渡対価をいつどのような方法で支払うか)

・ 経営者・役職員の処遇(経営者による引継ぎ期間や、従業員の雇用継続の努力義務等を設けてあるか)

・ 表明保証条項(双方が取引を実行する能力を有していることの確認等を含め、何を求められており、仮に違反した場合にどのような補償等を求められているか)

・ クロージングの前提条件(クロージングまでに何を行う必要があるか)

・ 競業避止義務(譲渡後に競合する事業を行うことがどの程度禁止されているか)

・ 契約の解除事由(どのような場合に契約を解除できるか) 等

なお、譲渡対価は、クロージングを迎えて初めて支払われることが通常であり、最終契約締結後クロージングまでの時期に関して、最終契約上で何らかの条件(前述のクロージングの前提条件)が規定されることもある。また、譲り渡し側・譲り受け側の協議において、中小 M&A に関する情報をクロージング後に公表する旨の合意をしている場合には、それまでの間、秘密保持を貫く必要がある。中小 M&A は、最終契約締結によって全て完了するものではない、という点には注意が必要である。

(9) クロージング

中小 M&A の最終段階であり、株式等の譲渡や譲渡対価の支払を行う。特に譲り受け側から譲渡対価の全部又は一部が確実に入金されたことを確認することが必要である。

仮に事業譲渡の手法を選択し、承継対象財産の中に不動産が含まれる場合には、クロージング後速やかに登記手続を行う必要があるため、クロージングにおいて登記必要書類を授受することが通常である。そのような場合には、司法書士等とも日程調整の上、クロージングに向けた具体的な段取りの準備を進める。

金融機関からの借入金や不動産等への担保設定がある場合は、担保解除(及びこれに伴う担保抹消登記手続)につき、取引金融機関との調整が予め必要となることがあり、その場合には、自ら調整を行うか、仲介者・FA や士業等専門家の指示に従い、必要な手続を進めることが必要である。

(10) クロージング後(ポスト M&A)

クロージングを迎えた後も譲り渡し側経営者は、PMI(M&A 実行後における事業の統合に伴う作業)として、譲り受け側による円滑な引継ぎ等に向けて、誠実に対応する必要がある(最終契約において具体的な協力義務等を定めている場合には、これを果たす必要がある。)。

例えば、株式譲渡や事業譲渡の場合、以下のような引継ぎ等の作業が必要となる。

<共通>

・ 中小 M&A クロージングについての役員・従業員や取引先等に対する報告

・ リース契約・賃貸借契約・金銭消費貸借契約等に関する名義変更・経営者保証解除・(連帯)保証人変更(なお、クロージング前に、リース会社・賃貸人・取引金融機関等との協議・交渉を開始することが多い。特に、賃貸借契約等についてのチェンジ・オブ・コントロール条項の定めがある場合には、当該契約等の継続のために事前に賃貸人等との協議や交渉が必要になることがあるため、注意が必要である。)

・ 業務フローの引継ぎ・業務管理体制の構築 等

<株式譲渡の場合>

・ 代表者変更のための株主総会・取締役会や登記手続 等

<事業譲渡の場合>

・ 売掛金の振込先口座の変更

・ クロージング後における売掛金の入金・買掛金の出金の清算

・ 給与体系・就業規則その他の人事労務関係の統一等

譲り渡し側は、譲り受け側の希望に応じて、引継ぎ等の作業に適宜協力することが望まれる。こういった作業には、3か月~1年程度の時間を要することが多いが、個別のケースにおいて異なる。

この工程を経て、譲り渡し側経営者は、徐々に事業運営から離れていくことになり、また、譲り受け側は、譲り渡し側の事業を実質的にも引き継ぐことになる。

III  M&A プラットフォーム

近年、我が国における中小 M&A においても、オンラインの M&A プラットフォームが急速に普及しつつあることから、以下では M&A プラットフォームについて説明する。ただし、M&A プラットフォームの市場は比較的新しく、仕組みや留意点等も今後大きく変わり得る点には留意が必要である。

1 M&A プラットフォームの基本的な特徴

M&Aプラットフォームは、譲り渡し側・譲り受け側がインターネット上のシステムに登録することで、主にマッチングをはじめとする中小 M&A の手続を低コストで行うことができる支援ツールである。

特に譲り渡し側については無料で登録できる M&A プラットフォームが相当数あり、マッチングのために支援機関に相当額の手数料を支払う資力のない小規模な事業者であっても、中小 M&A の可能性が大きく広がったと評価できる。また、譲り渡し側、譲り受け側といった当事者が自ら相手先を探すことができるケースもあり、従前はM&A 専門業者しか接触できなかった中小 M&A の案件情報に直接接触することができるようになるため、よりスピーディな交渉が可能となった。そのため、近い将来に廃業することを検討している小規模な事業者であっても、廃業以外の選択肢が現実的にあり得るとの認識の下、M&A プラットフォームの活用を積極的に検討することが望まれる。

2 M&A プラットフォーム利用の際の留意点

M&A プラットフォーム利用の際には、以下の点に留意することが必要である。

(1) 情報の取扱い

まず、注意すべきことは情報の取扱いである。ノンネーム情報であったとしてもインターネットの特性上、個者が特定されるリスクを踏まえ、自社の情報をどの程度まで開示対象とするか慎重に検討しておく必要がある。

また、M&A プラットフォームごとに、情報を開示する相手方が異なることも注意が必要である。例えば、法人・個人問わず閲覧・掲載が可能な M&A プラットフォームもあれば、法人のみに限った M&A プラットフォームもある。

どの程度の情報をどこまでの範囲で開示するのか、自身のニーズに照らし合わせて検討することが望ましい。

万が一、一度でもインターネット上に情報が流出してしまうと、それを完全にインターネット上から消去することは困難であるため、ある程度は公開されても受忍できる程度の情報しか掲載しないといった慎重な姿勢が望まれる。この点は、インターネット上でオープンに公開されていない、閉じられた(クローズドな)M&A プラットフォームであったとしても同様である。

(2) 利用する M&A プラットフォームの選択

M&A プラットフォームにはそれぞれ特徴があるため、どの M&A プラットフォームを使うべきかについても検討が必要である。

情報の開示範囲について、法人・個人問わず閲覧・掲載が可能な M&A プラットフォームであれば、マッチングの可能性を広げることができるというメリットがあるのに対し、法人のみに限った M&A プラットフォームであれば、法人の情報が登記情報等により比較的取得しやすいことから M&A プラットフォームの安全性を一層高めることができるというメリットがあると想定される。特に、情報開示先となる譲り受け側をどの程度まで制限するかは、重要なポイントである。

一方、仕組みも M&A プラットフォームによって違いがある。例えば、譲り渡し側・譲り受け側双方から交渉を始められる M&A プラットフォームもあれば、譲り渡し側からしか交渉を始められない M&A プラットフォームもある。また、当事者が直接登録・交渉できる M&A プラットフォームもあれば、FA を介してのみ登録・交渉が可能な M&Aプラットフォームもある。したがって、各社の仕組みを理解した上で活用することが重要である。真に極秘で進めたい案件は、M&A プラットフォームには向いておらず、仲介者・FA との使い分けが必要になると思われる。

また、一部の M&A プラットフォームは、仲介者・FA や士業等専門家の紹介や IT を活用した中小 M&A の手続の支援を行っているが、M&A プラットフォームはあくまで譲り渡し側・譲り受け側のマッチングまでに留まることが一般的である。マッチング後の基本合意・最終契約締結や、これに関する条件交渉等の具体的な手続は、原則として、譲り渡し側・譲り受け側の当事者が行うことになる。しかしながら、中小 M&A において、各当事者は中小 M&A に関する知見を有していないことが多いことから、事業引継ぎ支援センターや士業等専門家等の支援機関による支援を受けながら手続を進めていくことが望ましい。

3 M&A プラットフォームの手数料

(1) 料金体系

現在、譲り渡し側について、M&A プラットフォームを利用したマッチングに関し、一切の手数料が発生しないケースが多い。しかしながら、今後、M&A プラットフォーム市場がより発展することにより、譲り渡し側の件数が増えてくれば、譲り渡し側においても手数料が発生するケースも増えてくる可能性はある。

一方、譲り受け側については、マッチング後のクロージング時点で成功報酬が発生する形(いわゆる完全成功報酬型)が多い。この場合、着手金・月額報酬・中間金等は発生しないケースが多い。譲り受け側における手数料は、譲渡額等の数%程度とされることが多い(最低手数料を設けるところもあれば、設けないところもある。)。

なお、譲り渡し側・譲り受け側とも、M&A プラットフォームの利用とは別に、特にマッチング後の手続において、仲介者・FA や士業等専門家への依頼も行う場合には、これらについての手数料・報酬が別途、必要となる。

(2) 具体例

以下では、仮に、M&A プラットフォームを利用して中小 M&A のマッチングを行った場合に支払うことになる手数料について、具体的な事例を示す。なお、消費税及び地方消費税は合計10%と仮定する。

〇事例

M&A プラットフォームを利用してマッチングを試みたところ、譲渡額2000万円の株式譲渡が成立したケース

・譲り渡し側:手数料なし

・譲り受け側:成功報酬3%(基準:譲渡額、最低手数料:30万円(税抜))

※マッチング後の手続について、M&A 専門業者や士業等専門家からも支援を受ける場合には、これらについての手数料・報酬も別途発生する。

〇 手数料

・成功報酬:2000万円×3%×110%=66万円(税込)

⇒手数料総額:66万円(税込)

IV 事業引継ぎ支援センター

事業引継ぎ支援センター(以下「センター」という。)は、経済産業省の委託を受けた機関(都道府県商工会議所、県の財団等)が実施する事業である。具体的には、中小 M&A のマッチング及びマッチング後の支援、従業員承継等に係る支援に加え、事業承継に関連した幅広い相談対応を行っている。

センターは、全国48か所(全都道府県に各1か所、ただし東京都は2か所)に設置されており、地域金融機関 OB や、公認会計士・税理士・中小企業診断士・弁護士等の士業等専門家といった、中小 M&A の知見を有する専門家が常駐している。

以下では、主として、譲り渡し希望者に向けた、センターでの支援内容とその留意点を説明する。その際には、事業者同士の中小 M&A の支援と、それ以外の支援とに分けて説明する。

1 事業者同士の中小 M&A の支援

(1) 支援フロー

① 初期相談対応(一次対応)

本工程は、センターが中小企業からの相談に対応し、支援の方向性を判断するものである。具体的には、中小 M&A のみならず、従業員承継や廃業等に対する相談を幅広く受け付けており、相談時点において意思決定ができていないものについても対応している。センターでは相談者のニーズを把握した上で、適切な対応策の検討を行っている。センターは、中小企業再生支援協議会やよろず支援拠点といった他の公的機関のほか、士業等専門家を含む民間の支援機関とも連携をしており、中小 M&A以外の対応が適切であると判断した場合には、適切な支援機関への橋渡しを行っている。

このため、特に中小 M&A の意思決定ができていない場合において、センターに相談することは様々な選択肢を検討するという観点から有益であると考えられる。

また、センターでは、公的な相談窓口として、他の仲介者・FA からのアドバイスについてのセカンド・オピニオンを求めることもできるため、既に中小 M&A の工程が進んでいる場合において、支援を受けている仲介者・FA の対応に疑問が生じた場合等も、相談することが可能である。

② 登録機関等による M&A 支援(二次対応)

本工程は、一次対応を経て、相談者が中小 M&A の実行について意思決定した場合に、センターが登録機関等の中で適切な支援ができる者がいると判断した場合に、当該登録機関等への橋渡しを行うものである。

登録機関等の支援を受ける場合は、登録機関等と仲介契約・FA 契約を締結することになるため、手数料が発生するが、登録機関等からよりきめ細やかな支援を受けられることが期待できる。

③ センターによる M&A 支援(三次対応)

本工程は、二次対応において適当な登録機関等が存在しない場合、又は、一次対応時点で、特定のマッチング相手が決まっている、若しくは、合意ができている者に対してその後の手続の一部をセンターが直接支援するものである。マッチング相手が決まっていない場合は、後述するセンターが保有するデータベースも活用しながら相手探しを実施する。マッチング相手が見つかった場合には、クロージングまでの各工程を円滑に進めるため、士業等専門家の活用を含めた支援を行う。

具体的には、税務面・法務面に関する士業等専門家への相談や、企業概要書の作成が必要である場合において、センターが外部専門家等を紹介し、これらの者と連携して作成の支援を行う。外部専門家等の利用は譲り渡し希望者にとって費用負担が生じるものの、税務面・法務面での見解が重要なポイントとなるケースもあるので、必要に応じて外部専門家等を活用することが望ましい。

(2) センターの構築するデータベース

センターでは、相談に来た譲り渡し、譲り受けを希望する事業者及び登録機関等が保有する情報等をデータベース化し、マッチングの相手探しを行っている。

データベースは、掲載する事業者の許諾範囲に応じて全国のセンター内のみでの共有又は登録機関等への開示も可能としている。なお、掲載に当たっては、個別の事業者が具体的に特定されない範囲でノンネーム情報のみが掲載される。

2 その他の支援

センターでは、事業者同士の中小 M&A のみならず、創業希望者(事業を営んでいない個人)とのマッチングを行う「後継者人材バンク」事業、廃業を希望している中小企業の「経営資源の引継ぎ」についての支援も行っている。以下、それぞれの支援内容を概説する。

(1) 後継者人材バンク

後継者人材バンクは、後継者不在の中小企業(主として個人事業者)と創業希望者(事業を営んでいない個人)とのマッチングを行う支援である。譲り渡し側にとっては事業を存続させることができ、譲り受け側の創業希望者にとっては譲り渡し側の事業をそのまま引き継ぐことにより、創業に伴うリスクを抑えることができる。

後継者人材バンクではセンターの支援の下、マッチングからクロージングに至るまでの工程について支援を行っている。

(2) 経営資源の引継ぎ

センターでは、廃業を希望している者の事業又は主たる事業用資産等の経営資源の引継ぎ(一部、中小 M&A も含む。)についての相談にも対応している。

具体的には、廃業を希望している者に対して、中小 M&A の提案、マッチングの相手探し、事業の一部譲渡を含む経営資源の引継ぎについての支援を行う。

経営資源の引継ぎに関しては、事業又は経営資源について、センターの支援の下、マッチングからクロージングに至るまでの工程について、支援を行っている。

V 仲介者・FA の手数料についての考え方の整理

1 手数料の種類

料金体系として、着手金・月額報酬・中間金・成功報酬の形式が多く見られることから、これらの概要について、以下、整理する。ただし、仲介者・FA の手数料には一般的な法規制がなく、どのような料金体系を採用するかは、あくまで各仲介者・FA による点については留意が必要である(着手金・月額報酬・中間金を設けず、成功報酬のみを設ける仲介者・FA も相当数あるとされる。)。なお、別途、実費(交通費等)を請求することもある。

(1) 着手金

着手金は、主に依頼者との仲介契約・FA 契約締結時に発生する手数料である。成功報酬が発生した場合には、当該成功報酬に含まれる(成功報酬の内金となる)ものとすることもある。請求する仲介者・FA と、請求しない仲介者・FA に分かれる。

(2) 月額報酬

月額報酬(定額顧問料、リテーナーフィーと呼ばれることもある。)は、主に月ごとに定期的に定額で発生する手数料である。後述の成功報酬が発生した場合には、当該成功報酬に含まれる(成功報酬の内金となる)ものとすることもある。請求する仲介者・FA と、請求しない仲介者・FA に分かれる。

(3) 中間金

中間金は、基本合意締結時等、案件完了前の一定の時点に発生する手数料である。後述の成功報酬が発生した場合にはこれに含まれる(成功報酬の内金となる)ものとすることが多い。請求する仲介者・FA と、請求しない仲介者・FA に分かれる。

(4) 成功報酬

成功報酬は、主にクロージング時等の案件完了時に発生する手数料である。仲介者・FA の場合は、主に以下の3つの基準となる価額のいずれかに、一定の方式に則った計算を施すものが多い。ただし、これらを組み合わせたり、修正したりする方式もあれば、これらと全く異なる方式(例えば、定額)を採用する仲介者・FA も存在する。

なお、後述のとおり、最低手数料が設けられるケースが多いが、その金額の水準も各仲介者・FA によって異なるため、複数の仲介者・FA を比較検討することが望ましい。

① 譲渡額(譲受額)

譲り渡した(譲り受けた)金額そのものを基準とするものである。基準として理解しやすいと言える。

譲り渡し側の場合には、譲渡額が高くなれば手数料の金額が高くなることにも合理性が認められるが、譲り受け側の場合には、譲受額が高くなるほど手数料の金額も高くなり負担感が増すため、異なる算定方法(例えば、譲り受け側のみ定額とする等)が合理的であることが多い。

② 移動総資産額

主に譲渡額に負債額を加えた、いわゆる「移動総資産額」を基準とするものである。

これは、譲り渡し側の(移動)総資産額は、その事業規模に連動して大きくなる傾向にあるとの考えによるものである。したがって、同じ譲渡額であっても、負債(特に借入金)の金額が高い方が、手数料は高くなるということになる。

③ 純資産額

資産と負債の差額である。簿価純資産額の場合には、決算書上の記載を基に容易に計算でき、明確であるという特徴があるため、特に譲り渡し側が小規模企業の場合には、簿価純資産額を基準とすることがある。なお、譲り渡し側が債務超過企業の場合には、純資産額がゼロ円以下となってしまうため、通常、別の要素を考慮する譲渡額(前述の①参照)や移動総資産額(前述の②参照)を基準とすることが多い。

2 レーマン方式

以上の価額を基に報酬を算定する手法として、レーマン方式が採られることが多い。

レーマン方式は、「基準となる価額」に応じて変動する各階層の「乗じる割合」を、各階層の「基準となる価額」に該当する各部分にそれぞれ乗じた金額を合算して、報酬を算定する手法であり、特に M&A 専門業者において広く用いられている。

例えば、下記のような表を用いて報酬を算定するが、例示された各階層における価額・割合は必ずしも下記の価額・割合に限定されるものではなく、各仲介者・FA により異なる。そもそも、レーマン方式を採用せず、「基準となる価額」によらず一律の割合を乗じるケースや、定額とするケースもある。

また、原則としてレーマン方式によるとしても、譲り渡し側が小規模である場合には、「基準となる価額」が小さく、十分な成功報酬を確保できないケースもあり得るため、これに備えて最低手数料を設けている仲介者・FA は多い。最低手数料の金額は、各仲介者・FA により異なるため、仲介者・FA に依頼しようとする中小企業は、最低手数料を含め、手数料の算出方法を明確に確認しておく必要がある。

・基準となる価額5億円以下の部分        乗じる割合5%

・基準となる価額5億円超10億円以下の部分   乗じる割合4%

・基準となる価額10億円超50億円以下の部分  乗じる割合3%

・基準となる価額50億円超100億円以下の部分 乗じる割合2%

・基準となる価額100億円超の部分       乗じる割合1%

※あくまで一例であり、各階層における価額・割合は各仲介者・FA により異なる。

3 具体例

以下では、仮に、M&A 専門業者が中小 M&A のマッチング支援等を行った場合に、譲り渡し側又は(譲り渡し側経営者であることが多い)譲り渡し側株主が支払うことになる手数料について、具体的な事例を示す。なお、消費税及び地方消費税は合計10%と仮定する。

〇 事例1

事業引継ぎ支援センターの登録機関等である M&A 専門業者に依頼したところ、6か月間の業務遂行により、譲渡額1億円の株式譲渡が成立したケース

・着手金100万円(税抜)【成功報酬は別途】

・月額報酬:なし

・中間金:なし

・成功報酬:前述のレーマン方式(基準:譲渡額、最低手数料:500万円(税抜))

※事業引継ぎ支援センターへの相談は無料であるが、登録機関等に依頼する場合は有料である。

〇 手数料

・着手金:100万円×110%=110万円(税込)・・・(a)

・月額報酬:0円

・中間金:0円

・成功報酬:1億円×5%×110%=550万円(税込)・・・(b)

⇒手数料総額:660万円(税込)・・・(a)+(b)

※譲渡額から手数料総額を控除した金額は9340万円となる。

〇 事例2

金融機関から紹介された M&A 専門業者に依頼したところ、1年間の業務遂行により、譲渡額5億円の株式譲渡が成立したケース(なお、負債額は5億円)

・着手金:なし

・月額報酬:なし

・中間金:50万円(税抜)【成功報酬に含まれる】

・成功報酬:前述のレーマン方式(基準:移動総資産額、移動総資産額:10億円、最低手数料:1000万円(税抜))

〇 手数料

・着手金:0円

・月額報酬:0円

・中間金:50万円×110%=55万円(税込)・・・(c)

・成功報酬:(5億円以下)5億円×5%×110%=2750万円(税込)

(5億円超10億円以下)5億円×4%×110%=2200万円(税込)

→2750万円(税込)+2200万円(税込)-55万円(税込)

=4895万円(税込)・・・(d)

⇒手数料総額:4950万円(税込)・・・(c)+(d)

※譲渡額から手数料総額を控除した金額は4億5050万円となる。

〇 事例3

顧問税理士から紹介された M&A 専門業者に依頼したところ、4か月間の業務遂行により、譲渡額3000万円の事業譲渡が成立したケース

・着手金:50万円(税抜)【成功報酬は別途】

・月額報酬:10万円(税抜)【成功報酬は別途】

・中間金:なし

・成功報酬:一律4%(基準:譲渡額、最低手数料:300万円(税抜))

〇 手数料

・着手金:50万円×110%=55万円(税込)・・・(e)

・月額報酬:10万円×4×110%=44万円(税込)・・・(f)

・中間金:0円

・成功報酬:300万円×110%=330万円(税込)・・・(g)

>3000万円×4%×110%=132万円(税込)

⇒手数料総額:429万円(税込)・・・(e)+(f)+(g)

※譲渡額から手数料総額を控除した金額は2571万円となる。

4 業務内容と手数料の関係

仲介者・FA の手数料には一律の基準がなく、原則として各仲介者・FA の判断に委ねられていることから、仮に同じ M&A が実現したとしても、仲介者・FA が異なれば、発生する手数料の金額は多様である。

重要なのは、あくまで、仲介者・FA の業務内容と手数料の金額が客観的に見合っているか否か、そして依頼者である中小企業やその経営者が納得できるか否か、という点である。

仲介者・FA と契約を締結する前に、まずは、業務内容が具体的に何であるのか、手数料の算定方法と発生時期はどのようになっているか、という点について入念に確認することが重要である(前述のとおり、事業引継ぎ支援センター等からセカンド・オピニオンを聴取しておくことも有効である。)。

VI 問い合わせ窓口

ここでは、中小 M&A の実施過程において、あるいは中小 M&A が終了した後に、意

見や相談を求めたいケースにおける主な問い合わせの窓口を列記するので、参考とされたい。

〇 事業引継ぎ支援センター

( https://shoukei.smrj.go.jp/contact/ )

中小 M&A 全般についての問い合わせ窓口である。

※どの窓口に相談するか迷う際には、まずこちらの窓口に相談されたい。

・ 日本弁護士連合会(ひまわりほっとダイヤル)

( https://www.nichibenren.or.jp/ja/sme/about_himawari.html )

日本弁護士連合会及び全国52の弁護士会が提供する電話で弁護士との面談予約ができるサービスである。

※法的な観点に基づく助言等を求めたい場合は、こちらの窓口に相談されたい。

 

どうぞ、お気軽にお電話ください

0797-62-6026  

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